船溜まり

そこは古く錆び付いた船が

数隻あるだけの船溜まりで


でもスケッチをするには

静かでちょうど良かった


さびれた

港町とは名ばかりの故郷ふるさとの風景

今はもう想い出の中にしかない



変わっていくことが

必要なことと知りながら

それでも寂しさに心は涙ぐむ


生まれてくるもの

衰えるもの

やって来るもの

去っていくもの


何も無かったようでも

確かにったもの


懐かしさを切なさと一緒に

抱きしめる この日



見つけたのは

一枚だけ残っていた


船溜まりの水彩画


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