鳥の詩(トリノウタ)

悲しい目をした鳥が

空を見ていた

鳥はもう自分が

飛べないことを知っていた


鳥の羽はもうボロボロで

羽ばたくことさえ出来なかった

それでも思い出したように

鳥はその羽を動かそうとする


動くはずのない羽が

もしかしたら次の瞬間にでも

動くようになるかもしれないと

諦めきれないのだ


悲しい目をした鳥が

今日も空を見ている

鳥はもう多分

飛ぶことはないだろう


それでも鳥はきっと

最期まで空を見る

倒れ伏した鳥はその頭を上げて

その時 何を想うだろうか


たとえ悲しい目をしていても

どうか憐れまないでくれ


わたしは生きたのだから

どれだけみっともなくとも

わたしなりに

わたしとして。


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