嵐の夜

真夜中

ヒュルヒュルと風の音がしている

厚いカーテンを閉めた向こうの景色は

見たくないからみない


嵐の予報通りに

雨が激しく地面を打つ音が聴こえる

厚いカーテンに隔てられているから

尚更に不安をあお


エアコンの冷風でやっと息ができている

ジワジワと締めあげられているような

喉の隙間に

細い風がヒューと行き過ぎる


早く行ってしまえ

早く行ってしまえ


幼い頃の無謀な嵐へのときめき

真闇まっくらの意味さえわかっていなかった

無邪気な残酷さ


窓がきしんでいる

カーテンの向こうは嵐

吹き荒ぶ風の悲鳴を聴きながら


明日の晴れを待っている

喉を両手でおさえながら


夜明けはまだ、遠い

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