歯車が軋んで

忘れ去られてしまうことは

思っている以上に簡単

失望されてしまうことも

呆気ないほどに容易たやす


卑屈になるな、落ち込むなよ

仕方がないよ、こういうもんだよ


歯車を常に回さなくては

ほら、足が止まっている


息が上がって苦しい

パクパク弱った金魚みたいだ

酸素ヲ、クダサイ


弱っちいからすぐに苦しくなる

油が切れて歯車が軋む

耳障りな音がキイキイと響く


足がもつれかかっている

喉が干上がって言葉が掠れている


嗚呼


世界に、またついて行けなくなる

置き去りにされる不安で

足が強ばって動かない


言葉を探している

世界よ行かないで


みっともないわたしを

置いて行かないで

醜く崩れたわたしを

粉々に無にして


(こわいのこわいのこわいの)


寂しくないように

跡形もなく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る