昏い紅(クライアカ)

ジクジクと滲んでいるのです

あちらからもこちらからも

押さえても押さえても

指先が昏い紅クライアカに染まるばかりで


止まったと思っても

また滲み出すのは、どうしてなのでしょうか

忘れたつもりの痛みが

簡単に思い出されてしまう


穏やかに時が過ぎてくれることだけを

こんなにも願っているのに

それと引き換えならば

この痛みだって引き受けるのに


昏い紅クライアカが滲み出てくる

したたあか

わたしは怯えて

わたしは泣きたくなる


すべての昏い紅クライアカが流され尽くせば

この心がどこまでも蒼白く変わってしまえば

わたしの痛みの記憶も

わたしの哀しみのしたたりも


透明になって消えてしまえるでしょうか

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