壁に当たって

強かにぶつけた頭のタンコブを

さすりさすりしながら

暫し項垂れて

壁の前に座り込む


ため息やら

弱音やら

愚痴やらを

ひとしきり吐いた後で


よっこらしょと腰をあげて

もう一度 壁を見る


そういえば旅の栞に

この壁の越え方が

載っていたのではないかしらん


探してみると見つかった

なぁんだ こんな事だったのか

目からウロコがポロリポロリ


視界が明るくなって

少し元気になる


こんな風に壁を越えていく


壁は遥か先にも延々とあるけれど

壁を越えた後の爽快感は

たまらなく良いものだなぁ


ふふふっと笑って

一度だけ振り返り

ありがとう と言って

また歩き出す


新しい壁に向かって

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