大丈夫と三回唱えて

息が苦しい時に

空気以外のものを

欲する余裕など

あるものだろうか


少なくとも

わたしには

ない


痛みに耐えられない時に

どうか何でもするから

この痛みを何とかしてくれと

懇願する


これはもう

確実に

そう


勇気と忍耐を兼ね備えた人も

いるだろうとは思う

それはどんなに尊敬に値することか

そうあれたらどんなに、とも


でも現実のわたしはこれだ

そうありたいと思っても

パニックになって何も考えられなくなる

そんな姿ばかりが容易に想像できる


だから

怖くて

怖くて

怖くて


でもこればかりは

どんなに怖かろうと

いつか向き合うしかない


水泳の授業が苦手で

怖くて堪らなくて

それでも泳がなきゃいけなくて

大丈夫

大丈夫

大丈夫

って三回唱えて

えいっ!って飛び込んだ


あの時の勇気がもう一度欲しい

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