金平糖

金平糖こんぺいとうが一粒ぽろり

これは桃色

もうひとつのこれは水色

菜花なのはな色、藤色、草色、

それから白いの


ツノツノの形は

小さな星みたい

空に投げ上げたら

そのまま流れ星にならないかな

この小さくて優しく甘い


お薬がこんなだったらいいのにね

そしたら少しは気分も違うのになぁ


そう思いながら

金平糖こんぺいとうの入った硝子瓶がらすびんを横目に


今日のお薬をゴクリ、ゴクリ

喉を通り過ぎて胸に届いた頃

星になればいいのに

ツノツノないから無理かな


小さな苦い隕石が落下していく

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