夕暮れ時に思うこと

わたしは結局のところ

何にもなれなかった人間で

それは多分、自分が一番わかっていて


それでも人生の夕暮れに差し掛かった今

やっぱり生まれてきて良かったと思う


良い事ばかりあった訳でもないし

それなりの辛苦しんくもあったりしたし

そうして、その時々で耐え難いと

ヘタレも世を恨みもしたわけだけど


生きていたから味わえた

このささやかなる、でも大切な

喜びを捨て去ることはしたくないと


他の人から見たら

例えば、つまらないちっぽけなものでも

それなら尚更、わたしだけは

わたしの喜びを忘れないでいたい


最期の最期に泣き喚いても

せめて、その前まででも

わたしを救いあげてやりたい


わたしでなくては

わたしは救えない


だから


わたしは今、書いているのかもしれない

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