色臭気

「・・・あ、来たきた。おいでおいでー。シャルはまだ来てないねん」


 桃ちゃんの部屋はいつもつい恍惚となる。ボクの中の薄く残った男性ホルモンを刺激しているんだろうと思う。

 いや、本当に。複雑になっちゃう汗

 出来るだけ、桃ちゃんに深入りしないようにしなきゃって思っちゃうのよね。なんか、こう・・・色々こんがらがるの汗。裸を見ちゃったのもあるかな汗


 シルバちゃんはずっと冷静で、一緒にいるとボクも少し大人になった気分になってクールぶっちゃう影響を受ける。それは多分、シルバちゃん自身の『霊言』を抑えなきゃダメって部分をボクも受けてるのかもしれない。でも、シルバちゃんはキレイで、見惚れちゃう♡そう、憧れ的な存在って言えばいいのかな?推しのアイドルでも見てる系。


 桃ちゃんは、ボクと近いよね。色々と。テンションとかもノリとか。話しているともう「ザ・友達」って気分にさせてくれる。なんだろうこの感じ。桃ちゃんもシルバちゃんの霊言マントラの力があるんじゃない?って程に不思議な力がある関西弁だ。




「ん?何してんの?」


「うん、これしとかないと、色々ヤバイかと思って・・・・・・」

 ボクはシルバちゃんから貰ってきた大量のお線香を持参してきて、それを四方八方に焚いていく。だって、ボクでも一瞬からさ、シャルなんて密室の室内で嗅ぎ続けてたらんじゃない?って思ってね。


「なにがぁ?」

 桃ちゃんはなんのことだか分かっていない様子だった。


「え?だって、シャルがこの密室に居たらどうなっちゃうか本当に分かんなくない?」


「・・・ああ、そうか。確かにそう言えばあいつ、そこらでは直ぐうちのケツ追いかけてくるのに、この部屋の中とか勝手に来いひんし、他でも広間とかでしか会ってない気がするなぁ」


「でしょ?やっぱり。シャルもシャルなりに気を使ってんだって。ボクですら時があるんだから・・・・・・」


「・・・って、なんなん♡うちは、ちーちゃんなら、いいんやで♡」


「ちょ、ちょっと汗照汗、バカ言わないでよ汗汗」


 いや、本当に汗火照。


「ふふふ♡かわいいなぁ♡冗談やん♡」


 冗談にはなっていないよぉ汗ああ、ヤバイヤバイ・・・・・・


 ああ、線香の効果、香りに集中・・・・・・


 良い・・・シルバちゃんと古杣さんのクールビューティーを思い出し、落ち着きを感じる・・・ああ、ありがとう。

 これはシャルにも効くし、匂いを誤魔化せるはず!ボクにしては名案中の名案!

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