舞踊
ボクらはまた頭を抱え合った。
「どうすればいいんでしょうかね」
「シャル!あんた、またやらしいこと考えて興奮したんちゃう?」
「だって、桃の甘い香りに香ばしいナッツが香るんだもん」
「「おい!!」」
「ごめん汗」
「あかんやん!線香、増やす?」
「どうしましょうか。シルバちゃんと古杣さんは、演奏と唄で拍子を合わせているんだって。何かそれに代わるようなものってないですかね」
「・・・・・・あ」
「え?」「ん?」
「逆転の発想や。どうせな、シャルのアホ鼻はどうすることもできひんやろ。だったら、落ち着かせるんやなくて逆にもっと興奮して早くしたらどうなる?」
「・・・興奮って・・・まさか?」
「いやいや、ちゃうちゃう。運動すんねん!なんでもええ、走ったり筋トレしたり」
「・・・ああ、それいいかも。ゆっくりしたリズムだとどうしても差が明確になっちゃうんだよね。逆に早いリズムって、誤魔化せるんだよ。後でどんどんズレてきてバレるんだけど、前半、最初のうちはその微妙なタイミングの差って機械で測らない限り、人の認識の範囲内では分からないものなんだ」
「走るっていっても外には出られないし」
「エクササイズ・・・ダンス。踊るか?」
「いち、にー、さん、しー!」
「ごー、ろく、しち、はち!」
「はい!呼吸もあわせてー!」
「さん、にー、さん、しー!」
「ご―、ろく、しち、はち!」
・・・・・・
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・・」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・・」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・・」
「い、いこか?!」
「しんどー!」
「ちょ、ちょっと待って!」
「アホか!待ってたら、はぁ、意味ないんちゃう!?」
「「「せーの!」」」
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