『クレア・ガイダンス』

夢枕

《・・・誰?・・・お母さん??お父さん??》


《ごめんなさい・・・ボク・・・あんなことに、なるなんて・・・・・・》


《ごめんなさい・・・こんな能力ちからを持って生まれたから》


《もっと早くに言っておけば、結果は違ったかな・・・・・・》


《・・・言ったとして、信じてくれた?》


《・・・あ・・・待って。どこにいくの?》


《ボクも、一緒に・・・・・・》


《・・・・・・》


《・・・え?!あなたは誰?!・・・お母さんじゃ、ない??》




 また「夢枕」だ。

 でも、身内や知り合いは問題ないってあずささんが言っていた。確かに嫌な感じや怖い感じはないんだけど、自分が認識しているはずの母親の後ろ姿が、振り向くと全くの別人だったという内容は大丈夫なんだろうか・・・・・・


 死んだ母が言っていたのを聞いてただけの記憶だけど、大きめのスーパーに母と一緒に買い物に行っていた幼い頃、掴んでいた買い物かごを持つ人物がふと見た時に自分の母ではなかった時、驚きと焦りでボクは大号泣をしたらしい。当時の記憶は全くないが、その話を中学の時によく揶揄からかわれ言われた。きっと、その時の自分も今のボクと同じような不安で戸惑いの気持ちだっただろう。


 そんな「夢」がここ最近、続いている。


 シルバちゃんの『言霊ことだま』の力が弱まっているのか?

 でも、あれからボクは毎日のように一緒に通って歌っていて、シルバちゃんが『霊言』の訓練をおろそかにしているはずがないのはボクが誰よりも知っている。


 梓さんの結界?


 そもそも、この「夢枕」現象が続きだしたのは・・・そう、あの日に見た、あの男と目が合ってしまった時からだ・・・・・・


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