失敗?

「・・・なんやねん!もう!」


「ごめんなさい、お線香、多すぎましたかね?」


「なになに?君ら何してるのよ」


 仕方なく、桃ちゃんが経緯を面倒臭そうに説明をしていく。ボクはその間に半分ぐらいお線香を消していった。





「・・・あぁあ、そうゆうこと?OK、最初に言っててよう、もう」


「大丈夫でしょうか?もうちょっと減らします?」


「そうだね。ってか、一本で大丈夫だよ。僕を信用してよぉ」

 満面の笑みで自信あり気にそう言い張るので、一本だけを焚いたお線香を、桃ちゃんとシャルの間に置いて再挑戦。



「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・どう?」


「・・・桃華ちゃん♡」

「「おい!!怒」」






 今度はお線香をほど焚いて再挑戦。





「・・・あ、確かに・・・犬っていうか、獣臭いね」


「お!いい感じ!」


「方向とか、分かりませんか?」


「んー・・・ああ、離れて行くね」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・で?」

「「・・・ぷはぁ~!」もう!なんなん?!」


 ボクは桃ちゃんの念を感じ、それを見るだけ。桃ちゃんは首輪の思念を感じるだけ。シャルのボクと同じくその場の匂いを嗅げただけだった。


「えー、あかんかぁ?」


「誰も移動が出来ませんからね」


「え?なに?二人には犬の姿が視えたの?」


「いや、ちーちゃんだけ」


「うーん・・・・・・」


 三人ともその場で思い悩んだ。





「うちが場を繋ぎ・・・ちーちゃんが視て・・・シャルが・・・・・・」



「・・・桃ちゃん、家の近所なんでしょ?」


「うん、せやで」


「じゃあ周辺の道の記憶はあるんですよね」


「まぁ」


「なんとかチャコの散歩しているシーンのような、楽しい良い記憶の思念みたいなのを感じれませんかね?そうしたら、ボクの視線も一緒に動くかもしんないよ?」


「えぇ?そんなん出来たら色々苦労せぇへんでぇ??」


「ボクも、もっと千里眼の力の工夫してみる」


「・・・うん、一緒に頑張ってみよう!」


「・・・・・・俺は?」


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