残念
そうか、本当にここの人たちのバランスが良い。みんなで一つかもしれない。と、線香を焚きながら思う。せめてこの場にシルバちゃんも居て欲しいと痛感した。毎回こんなにお線香を使うのも勿体ないし、次にシャルとも『協調』する時はシルバちゃんと四人だなって実感していると
「やぁ、お待たせ」
シャルがやってきた。さて、どうかな。
線香の主な原料は
植物を使ったのが大半だから、シャルにとっても落ち着く匂いに包まれるはず。
ここの屋敷はネット電波なんて当然、届かないから不便だ。だから何か調べたい時は古杣さんか、桃ちゃんのスマホにお願いしなきゃダメなんで本当に面倒くさい。
「・・・煙たい」
「我慢して、シャル。あなたの為だから、ね」
「はよ、こっち来ぃ!」
桃ちゃんは特に説明をすることもなく、いつものように強引にシャルの腕を掴んで机を三人で挟んで座らせた。
「ほな、うちが首輪持つから、二人でこっちの手ぇ掴んで」
そう言って桃ちゃんは右手を差し出した。シャルは桃ちゃんの親指から手の平まで。ボクは人差し指から小指を全部掴むようにして集中する。シャルは何となく空気を読んで黙ってはいるが、頭の中は??が一杯みたい。桃ちゃんを通じて少し感じて解ってきた。
前回と同じ映像が見える。
また、犬のチャコが攫われる。
「シャル、何か感じます?」
「・・・んー・・・シナモン?」
「・・・え?」
「・・・はぁ?」
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