第七話 前世

「シャルのその『腐れ縁』は血筋。先祖からの因縁と怨念だが、シルバのは云わば『前世』のようなものだ」


《前世・・・・・・》


「日本におけるアルビノと関連するような、なにか当てはまる話を聞いたことはないかい?」


《んー・・・分かんない》


「・・・『雪女』だよ」


《ああ!確かに!!》


「雪のように白い髪、肌、吹雪の時のように太陽が隠れた時しか現れないという伝記、その全てがアルビノを差している」


「『忌み子』『蛭子』と同じく、昔から稀有けうに生まれた子が妖怪や鬼とされてきてた可能性は大いにあり、雪女こそアルビノの、昔の日本の末だったのです」


「まぁ、もちろん昔の話だから証拠なんてのは無いさ。ただ、シルバの場合は雪女の前世からの因縁があって、その対象が言霊という能力により示されただけであり、全ての地域である雪女伝説がアルビノというわけじゃないかもしれない。ただの外国人、白人だって昔の人からすれば十分にと感じただろうし。少なくともシャルや俺らのように、シルバのケースもそうだってことだけは確かさ」


 これはまた、シャルの時みたく大きな話になってきた。古杣さんと梓さんも、同じようなことがあるんだろうか・・・ボクにも?


「ただ、シルバは前世かが雪女だってのがわかったとして、シャルや俺のようになにか現在に不備があるわけではないんだ。無念の対象は別にあってシルバにあるわけではないのがまだ救いであり、やっかいなのは言霊の方って感じだね」


 俺ら・・・・・・?


「はい。言霊により因縁の矛先が変わるかもしれません。なので、無暗に名を口にしない。今はそれで留めておくことが最善だそうです。梓さんが言うには『』と仰っていました。私たちにはその辺の、までは分かりませんが」


《古杣さんのその、『因縁』ってのはなんなの?》


「・・・・・・」


「・・・それも、また『時期ではない』かな。・・・あ、そうだ。千鶴ちゃん、これから俺とシルバがここで『霊聴』と『霊言』の練習の間、君も来るといい。きっと、千鶴ちゃんの声を取り戻すきっかけになるだろう」


《ほんと?!うん、邪魔じゃなければ是非》


「私と同じように詠う気で聞いていれば、もしかすると影響を受けて何かのきっかけになるかもしれません。良い考えだと思います」




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