第四話 呪術・呪物
「日本のような先進国で、医学や住居も進んでいる地域では比較的安全で人の目と紫外線に気を付けていれば何とかなるのですが、野生に近い世界ではそうはいかないの。草原や砂漠で真っ白な身体は目立ち、潜むには適さないことは命に関わります。そして、文明がまだ進んでいない地域で、しかも白が目立つエリアでは同じように辛い日々が現実に起きています」
シルバさんの表情と声のトーンが神妙な面持ちになってきた。
《どうして?》
「人の信仰心ってのは、歴史的にも大きな間違いをしてきています。魔女狩りや宗教戦争、聖地の奪還として今でも人間同士が信仰心により争い殺し合っています。迷信として生け贄や儀式があったり・・・そのようにアルビノの身体の部位が魔除けや病気の治療になると信じられていることが現代でもあり、その地域で生まれるアルビノの人達は狙われているかのように襲われ、手足といった身体の一部などを切られて持ち去られたり、最悪は誘拐されてバラバラにされてしまうのです」
《ええ?!そうなんだ・・・全く知らなかった》
「闇の市場ではまだまだ私たちの部位が高額で売られ、出回っています。だから私の夢はアーティストとして有名になって、もっと世界中の人たちにアルビノの事を知ってもらい、そんなバカみたいな迷信を無くす事なんです」
《ボクも、応援します!》
「ありがとう。だから、病気だからとか可哀そうだとかで変に気を使わないでね。もう今では強く生きているから。ここの場所とここの人たちのおかげで。私と同じような意思で、アルビノでもモデルや動画配信とかをしている人たちもいて、私も何か出来ないかと思っているぐらいです。今は多くの時代や場所が原因で死んでいき無念を残していった同種たちの霊に語りかけて、私たちの運命や原因を伝えることに専念しているの」
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