夢言

『夢枕』のように見られるといった立ち位置ではないけど、あれから何度もあの男の『夢』を見ることがある。場面や服装は違えど、ただ共通しているのはいつも何かをいる・・・・・・


 様々な動物を、まるで捕食しているという表現の方が当てはまるように、必ず生きている状態で食べている。肉を噛み千切っていく最中、その生物が息絶えるその瞬間まで食べ続け、生命活動が完全に停止すると共に満足した表情で食事が終わる。その残骸は正に食い散らかした残飯のように、無残に食べ残している。これならキレイに捕食するハイエナやオオカミの方が食物連鎖としてであり立派だ。食っている間のあいつは正に鬼にような形相で、血で真っ赤にした顔もまさにそのものだ。魂が抜けきるまでのその断末魔さえも、まるでそれがスパイスかのように息の根を遠回しにして手足からちょっとづつ食べていく。見ているこっちが吐き気を催す。


 最近、だから睡眠が憂鬱なんだ・・・・・・


 丑寅の丑三つ時に目覚める瞬間に、見てしまう『悪夢』


 ボクは最近、ずっと夜更かしをするようになった。

 と言ってもここでは四六時中、年がら年中『彼誰刻かわたれこく』だから日中の周期が分からなくなり、みんな古杣さんが活動している間が”そうなんだ”って認識でいてる。古杣さんは現世でしっかりと活動していて、どんな仕事をしているのかは教えてくれない。


「おおよそただの事務作業だから、説明したって詰まらないよ」

 って言うだけなんだよね。梓さんも『』としての行事を定期的にこなしているみたいで、その顧客はかなりの大物ばかりだそう・・・なに?大統領とか??


 梓さんは全身のタトゥーで『因縁』との関係性を維持しているのだそう。古杣さんは・・・どうなんだろう。毎回、ボクのようなペイントを施して行っているのだろうか?・・・羨ましい。


 二人とも日中は忙しそうで、この「夢」の相談できないんだよね。帰宅したら直ぐにお互いの訓練に入るしボクも忙しいし・・・逆に昼間は暇なんだよねぇ。


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