輪廻

 ボクは土竜もぐら。そう。もぐらもぐらもぐら・・・・・・


 ・・・集中とかイメージって、こんなもんだよ?


 いつもの『千里眼』のイメージはね、目玉のオヤジが武空術かスーパーマンとして飛んでるって感じ。

 『透視』は、障子に目あり。


 まぁ、何でもいいんだよ!集中できれば!!


 掘るぞー。掘るホル。ボクは土竜だ。ここ掘れワンワン。




 ・・・・・・??・・・わぁあ!!骨だぁ!!汗

 ・・・人骨??うん、頭蓋骨だ。



 合計、多分だけど三体分の人がこの小屋の下に埋められている。


「・・・梓さん。人が三人、ここの下に埋められています」


「何があったのでしょう。ここまでのを纏うほどの何かがきっと・・・・・・」


「霊体として形と成らずに埋まったままって、どういうことなんですか?」


「捕食された動物霊などが、このように土に還り草木として転生しようとすることはよくあります。ひたすらに種を待って共に育み、そしてそのまま根から草木として一生を過ごすモノや、また草食動物などに捕食されその子の一部として宿すことも。人の場合では、そうですね・・・例えば戦地や虐殺による大量死の跡地に眠る場合、多くの他の戦死者の渦に飲まれて完全に自我をも無くすといった出来事や・・・・・・」


 梓さんは、少し考え事をしている。


「この三人も、戦死者とかってことですかね」


「・・・視てみますか?」

 そういって、梓さんは何かの念仏を唱え出した。


「・・・千鶴さん、視線を小屋の中へ、地上へと移して・・・映して下さい」

 言われるがまま、ボクは言う通りにした。


 すると、地面が盛り上がり、埋まっていた骨の一つが地上へと現れどんどんと肉が付いていく。蛆が蠢き様々な昆虫類が死体に集る。ボクは見てられなくなり目を瞑ろうとした瞬間

「心の目を閉じないで下さい。まばたきのような一瞬であれば問題ありませんが、約一秒以上この千鶴さんの千里眼で紡がった『縁』が途絶えてしまいますと『』が遠隔では出来なくなると思われますので」


 ボクはハッとして、気持ちが悪かったけど何とか我慢して目を離さずにじっとしてました。梓さんは引き続き念仏を唱え出し集中する。


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