救済

 救済、施し、か・・・・・・

 ボクは考え事をしている。最後に言われた梓さんの言葉がすごく胸に刺さった。


 可哀そう、だとか同情。ダメな事や、人間的ってなんだろう。


 それらはなんだか所詮はボクのエゴのような気がしてきた。自分はなんの不自由な立場でないのに、かと言って何かしてあげれることなんて無いくせに・・・・・・


 正義、正しいとは。


 可哀そうだからって、その子や人をその場のボクの情だけで救済をしたとする。それって正しいことなんだろうか。事故や事件で助けるとは訳が違う。。きっとボクには出来ない。でも、そのになりかねないんだ。止めたとしてその後の実状を自分がなんとか出来るのだろうか。救った命のその後の責任が取れるのだろうか。でも、他になにか方法があるはずだと信じたい。いや、そんな甘い考えこそが平和ボケをしているボクのエゴなんだ。


 森の中をボロボロに死にかけて歩いていたことを思い出す。


 ボクは運が良く、ここの人たちに救われた。


 なぜ?


 他に、さっきの子たちのように死んでいる人はきっとごまんといるはず。なのに何故?


 ボクには霊視感能力クレアボヤンスがあったから。


 他の人には無かったから?これが贔屓ひいき??


 こんな能力がそもそも無かったら、こんなことにはなっていなかった・・・はずだ。


 何か意味がある。

 何かあるはずだ。ボクに出来ることが!!

 ・・・・・・




ガラガラガラッ・・・・・・



 マヨヒガ屋敷の引き戸が空く音がした!そう、ボクは今また温泉に浸かりながら考え事をしていたの!!ヤバイ!誰か来たぁ!!汗


 とっさにボクは隠れてしまった。右手奥の岩が少し出っ張っていて、そこに鼻下まで湯に浸かり見えないようにと。


 誰だろう汗。え?こんな時間に?!


 千里眼の訓練が終わって夕食後、いつも最後だろうって時間に入るようにしているんだけど・・・だって、ボクは男湯と女湯、どっちの時間帯に入ったって違和感しかないんだから!


 あ・・・いや、勝手に自分でそう思っているだけかもだけど汗


 とにかく!わかんないからわざわざこんな遅くに入るか、真昼間かにしてんのにぃ!


 古杣ふるそまさんかなぁ?だとしたら、嬉しい♡・・・いや、それどころではない汗どうしよう!拒否られても何も反応が無くてもショックなんだよぅ・・・・・・


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