第2話 『クレア・ボヤンス』

 だから何とかしようとしてさ、いっぱい霊についても調べることが増えてしまって、トラッキングもそれ関連ばっかりになるんだよ。映画は基本的に好きだから見てみたいんだけど、感情移入しすぎてしまうかもしれないし、逆にボクにとっては当たり前の日常と感じてしまうかもしれない。冒頭からあのセリフまでの間だけでもう、動悸が上がっちゃってダメな感じだったしね。


 色々と調べていって、ボクが住んでいた場所から一番近くにある神社やお寺に行ったりお守りも買ったりしても、効果は全然なかった。逆にそこに群がるように彷徨う様々な霊から注目を集めるようになってしまい、逆に危なかったこともある。

 でもある時気が付いたんだけど、そこそこ霊から離れていけばそれ以上は追いかけてこなくなるんです。何らかの制限というのか土地の因縁と言えばいいのか・・・例えば踏切で死んじゃった霊はその踏切から違う場所には行かないの。そのテリトリーを越えるとこちらを見つめながら立ち止まる霊もいれば、フッと消えていく霊もいた。


 自宅と学校にはまったくお化けとかは居なくて、最低限の日常生活は問題は無かった。意外かもだけど学校は少ないんです。あ、正確に言うとボクが行っていた学校大丈夫ってなだけで、場所によってはとてつもない量の霊がいるところもあって、学園祭で行ったとこなんかはヤバかったよ。多分だけどそういう所は学校が立つ前に何があったかによるんだよね。運動場とか講堂とか、ある程度の広さが学校には必要だから墓地跡だったり公園だったりとか。

 他に、基本的に霊が多い場所ってのはまぁ典型的なんだけど電車の駅と踏切とか、暗い脇道や交差点、あ、川沿いとかはすっごく多いね!古い橋だったら古けりゃ古い程いますね。自分との何らかの「縁」がある霊だけ見えるんだって考えると、実際にはもっといるんだろうね。考えたらなんだか恐ろしい話になっちゃうんだけど。


 とりあえず、ボクは自由な行動が取れず埒が明かなかったから、すっごく怪しかったけど都内で除霊ができるという人物にコンタクトを取って家まで「出張お祓い」をしてもらったの。


 そしたら・・・それが原因なんだよね。そのせいでパパとママは・・・・・・


 結果的に言うと、その『除霊師』は詐欺師だったとかウソじゃなかったんだけど、力がだったの。どうせならペテン師であった方がよかったって話でして、その辺の話はまた後にするね。


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