そして・・・・・・

 このマヨヒガ屋敷で桃ちゃんも、みんなと治療や研究をボクのように繰り返し、今ではご両親とも和解して問題なく暮らせているようなんです。

 ボクもみんなもそうだけど、物心がついた頃から当たり前のように続いてきたものってそれが『普通』って感じているよね。桃ちゃんもずっとそんなもんだって思ってたけど、ここに来てやっと自分の特別な能力を実感したんだって。

 ボクも小さい頃からなんか色々視えてたのは、みんなも見えているんだって思っていた。ボクは・・・あれ?


 そう、ボクは、誰か・・・ナニかが教えてくれていたような・・・・・・・




 シャルとシルバちゃんは「因縁」や「前世」の影響で。ボクは現実的にとして現世には出られないけど、桃ちゃんは即効性のある、古杣さんの言い方でいう所の『腐れ縁』ってのはここみたいだけど・・・ただ梓さん曰く桃ちゃんの『臭気』に『縁』がある者が現れると、その溢れ出ているオーラで見つかりやすく危険だと言う。外国人旅行者が増えてきている現代、都市部には行かない様にと制限はされている。


 だったらと、ボクの時のように梓さんの術でもし溢れ出てしまう湯気オーラを無理に閉じ込めようとすると、どうなるかが分からなく危険だそう。膨れた風船がどんどん肥大ししてしまうのか、圧迫された状態で内部の何かがしてしまうのか・・・・・・


 桃ちゃんはこことみんなに恩があって、感謝の意を持って定期的にここの掃除や家事を率先してやっているんだって。まるで通院のように梓さんに診てもらうがてら。


 様々な物資の買い出しが主な桃ちゃんの仕事。本人は「アルバイト感覚でやってるねんで」って言ってたけど、それだけじゃないような気もするね。この屋敷の部屋がどれだけあると思ってんのよ。シャルと一緒にやってるらしいけど、ボクも手伝わなきゃなって思った。


 二人の邪魔にならないようにね。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る