吸血姫に転生した幼女~大好きなお友達といつまでも一緒にいたい~

らいとっと

第1話 何かが変わろうとしてる?

 「また今日もかぁ~もうやだよぉ」


 私の名前は真夜(5才)。今、私は児童施設の押入れにいる。

 両親からネグレクトされ、この施設に入れられ毎日イジメの対象にされている。


 毎日毎日、私がやめて!と言っても全然やめてくれず、耐える日々。そのうち飽きてくれるのを待っていた。

 どんどん暗く、びくびくと怯え、自分から話そうとさえしない私を見ていた施設の先生(職員)は、

 「このままではあの子…危ないわね。何とかしないと……」


 さすがに見兼ねたのか先生は私を自分の部屋に誘ってくれた。

 イジメっ子たちから匿ってくれた先生。実は私の事あまり知らなかったみたいで、どんな会話からしていいか困っている顔してるのが私にもわかった。


 「真夜ちゃんはどんな事が好きなの?お料理?お洋服?」

 「…わかんない」


 食べることは好きだけど、ネグレクトやイジメをうけ行動に制限があった私…台所に行ったこともお洒落な服を着たことも見たこともない私…分かるはずがない。

 困った顔している先生が何か思い付いたみたい。


 「じゃあ、一緒にテレビでも見ましょうか。何でもいいから不思議に思った事は聞いてね?真夜ちゃんが何が好きで、どんな事がしてみたいのか知りたいの」

 「…うん」


 いつも誰かの後ろからしか見れなかったテレビ、先生と一緒に独占して見れることに少しワクワクした。

 「…先生?」

 「なぁに?何か興味あるの映ったかな?」

 「…うん。あの女の人、お家の屋根ぴょんぴょんすごいね?」

 「あの人はね、くのいちさんだよ」


 たまたま見ていた時代劇ドラマ。そこに映っていたのは屋根と屋根の間をぴょんぴょん飛び颯爽と走っていくポニーテールがよく似合うくのいち。


 「くのいちさんって何する人なの?」


 予想通りの言葉に先生は少し考えだした。どう教えたらいいものやら…。


 「お願いすれば何でもやってくれる何でも屋さんかな?悪い人にお仕置きしたり、お手紙届けたり、かくれんぼしたりするんだよ」


 くのいちさんにすごい興味を持ってしまった私は、くのいちさんが持っている物や投げた物など先生に聞いていく。

 好みが知りたいと見せたテレビ、まさかくのいちに興味を持つとは先生もビックリしていたが、呆れることもなく知ってる限り教えてくれた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あれから数日がたち、テレビに映ったもので会話をしやすくするという先生の思い付きは功を奏したようで真夜は先生と少しずつ会話が出来るようになっていた。


だが、相変わらず今もイジメは終わらない。いつしか先生の部屋に来る事が、真夜の楽しみになっていた。


 「先生~今日もい~い?」

 「いいよ。おいで」


 先生の部屋にいる時だけはイジメに合うこともないので、今日もテレビ見ながらいろんな事を先生に教わっていく。

 太陽が沈み楽しい時間はあっという間に過ぎていく…自分の部屋に戻らなきゃ…やだなぁ…。自分の部屋に戻ると先生に話すと…


 「少し早いけど教えてあげるね。明日、新しい子がこの施設に入ってくるみたいだよ。仲良くできるといいね♪友達になれたらいいね♪」

 「え!」


 私は先生のまさかの言葉にビックリし思わずポロッと

 「……新しい子やだなぁ」

 

 「新しい子なんだけどね…真夜ちゃんより年下の女の子なんだ。真夜ちゃんと同じようなお家の環境でね…ここに来るみたいなんだ。」

 「同じ?」

 「そうだよ~だから二人仲良くできると思ってね」


 どうやら新しくやって来る子も両親からネグレクトされ私と同じような状態だったらしい。私はまたイジメっ子が増えるもんだと思っていたので少し安心した。


 「先生も一緒にいてあげるから、新しい子がきたら三人でお話しようね」

 「…うん。わかった。」

 「さぁ今日はもうお部屋戻ろうね?早くお夕飯食べて、お風呂入らないとね」

 「はぁい」


 イジメっ子に睨まれる前にご飯食べて、お風呂も済ませさっさとお布団に潜りこんだ。朝になって目が覚めると新しい子がくるのかぁ~どんな子だろぅ。

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