第21話 初めての決闘!
領主の娘のアルベルティーヌはいきなり現れ、リリスたちがすぐに自分の物にならないとわかると決闘で決めると言ってきた。
「これは神聖な決闘です。私が勝ったら、あなたもその子も私のメイド奴隷として一生飼ってあげますわ」
アルベルティーヌのわがままぶりに、さすがのリリスも苛立ちを覚える。
アルベルティーヌがリンの近くへ行き、リンが身動きとれないくらいガバッと抱き抱えた。
抵抗するリン…だが、全然身動きがとれない!
「やめて下さい。リンをおろして下さい」イラッ
リリスにリンをおろすように言われたアルベルティーヌ。だが、まったくおろす気がなくそればかりかリンを後ろに控えていたメイドに渡し、拘束させた。
「こいつ…」イラッ
何がなんでも気に入った物は手に入れたいアルベルティーヌの性格…強制的に決闘にもちこまれてしまった…。離れたとこで見ていた領主は…成り行きを見ているだけで何も言わない…。
「わかりました。決闘で決めましょう。私が勝ったら…私とリンを自由にして下さい。その時はもちろん、この町からは出ていきますので」
「いいですわよ。あなたが私に勝てるとは思いませんが…」
「では、始めましょうか?場所と武器は?」イラッ
場所は領主の屋敷のお庭、武器は模擬剣でする。と決まりリリスは模擬短剣を2つ用意してもらった。
「武器2つ持ったくらいで私に勝てるとでも?」
「……」イラッ
「嫌な子ですわね。これでもくらいなさい!❮ウォーターボール❯」
左右に動き逃げまわるリリス。なんとかスキを見つけアルベルティーヌの懐に入り込もうとするが…
「水だけじゃございませんわよ❮ロックボール❯」
手のひらサイズの石玉が複数、リリスに向かい発射される。6才の女の子がこんなのに当たれば大ケガだ…さすがのリリスも怒りだした。
(リリスになってから死んでた感情がちゃんと戻ってきてる…ルシファー様に感謝)
「もうどうなっても知らないから…丁度いいし、あれ試してみよ❮ダークボール❯」
「なんですの?こんな影を作るだけの魔法しか使えないのですか?」
アルベルティーヌの影を足元に作りだしたが、アルベルティーヌはさらに私を怒らせるような言葉を言ってくる。
リリスは全力で前進し、「アルベルティーヌの懐に入る」…とフェイントをかけ、アルベルティーヌの後ろに回り込み影に向かって、模擬短剣を投げた。
模擬短剣はアルベルティーヌの足元の影に刺さり、もう1度❮ダークボール❯を唱えるリリス。すると…アルベルティーヌはそこから移動出来なくなった。
「やった。成功した❮影縛り❯」
「こんなもの…❮ロックボール❯❮ロックボール❯❮ロックボール❯」
「影で縛ってるとこに…❮血の操作:網❯」
「きゃあ…なんですの?このねっとりしてるのに丈夫で切れない赤い糸は…」
影縛りで移動出来なくなったアルベルティーヌは、まだ上半身が動くため土魔法ロックボールを連発して抵抗してくるが…リリスの種族スキル血の操作によって、上半身の動きも封じられてしまった。血の糸に気を取られていると…リリスが模擬短剣を構えアルベルティーヌに斬りつけにかかった!その時!
「この子にキズを付けたくなければ、降参しなさい!」
離れて見ていたメイドと拘束されたリン。メイドがアルベルティーヌのピンチにリンを人質にしてきたのだ。
「さすが私のメイド、ちゃんと仕込んでおいてよかったわ」
リリスは悔しそうにその場に立つ…ギロッと領主を見てみるが知らんぷりされた。
「私には攻撃手段が少ない…どうしよ。何かないか…」
「これで終わりですわ❮ウォーターボール❯」
「もう、完全に窒息死させにきてる…ヤバいヤバい」
リンを人質にされ動けなくなったリリスに、もう殺してしまおうとアルベルティーヌが水魔法ウォーターボールで窒息死させようと狙ってきた。ヤバい、どうにかできないか…と悩んでいた時、リリスの頭の中に❮血の操作:槍❯が浮かんできた。
すぐにアルベルティーヌに手のひらを向け血の操作:槍を唱えるリリス…。
リリスの手のひらから出た真っ赤な槍は、アルベルティーヌのウォーターボールを貫通し、影縛りと血の操作:網で動けないアルベルティーヌの太股に当たる。
「ぎゃあぁぁぁ~痛い、痛い」
アルベルティーヌに手のひらを向けたままアルベルティーヌに近寄るリリス。
「ねぇメイドさん?このアルベルティーヌとリン交換しない?もちろん…断れば殺すし、リンをキズ付けても殺すからね」
「お、おい。何もそこまでやらずとも良いではないか!」
領主は焦りだし、さらには怒りだしました。
「これは神聖な決闘です。言い出したのはあなたの娘さんです。そして…人質を取るような事をしてるのも娘さんです。領主様あなたに関係ありません」
「……」
娘のアルベルティーヌが殺されると思い止めに入ろうとした領主だったが、神聖な決闘、発端は娘、神聖な決闘に背く行為をしているのも娘とあって反論できない領主だった…。
「返事を!さぁ早く!」
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