第20話 領主、登場!
冒険者たちに変な疑いをかけられ、ギルマスに今日は様子見としてギルドに泊まれと言われたリリスとリン。
ベッドのある個室に案内され2人は話し始めた。
「リン、私ね…魔族なんだ」
「そっかぁ」
「あれ?なんかあっさりだね?」
「だって…宿で私赤い物飲まないと。って言ってたから」
「あ、聞こえてたのね?」
「うん」
「怖くないの?私、魔族だよ?」
「全然。まだ知らないけど他の魔族なら怖いかもね」
「黙っててごめんね。私のせいで…きっと明日からすごい巻き込むと思う」
「でも、お姉ちゃんがやったんじゃないんでしょ?」
「うん。あの部屋は私が来る前からあったみたいだし、ローラさんの時は私たちもう町にきてたしね」
「うん。一緒にいたからわかってるよ」
「明日からどうなるかわからないけど…リンだけは守るから、信じてくれると嬉しい」
「うん。大丈夫。…私のお姉ちゃんだもん、信じてるよ」
「ありがとう。リン」
2人は抱き合うように一緒のベッドで眠りについた。
次の日、2人は目を覚ましいつもの服に着替え、果実とパンで朝食を始める。
「おはよ」
「おはよ~」
「せっかくお金稼げるようになったのに、またパンと果実になっちゃったね…」
「…ごめんね」
「あっ、ごめん。そんなつもりで言ったんじゃないの…」
「うん…わかってる。リンは私が守るからね」
「うん」
ギルマスが2人がいる部屋にやってきた。
「おはよ。休めたか?…とりあえずローラは精神に支障があるが、体は大丈夫だ。」
「そうですか…」
「リリス、リンお前たちは魔族か?」
「リンは違う!魔族は私だけ!この子は盗賊に村を襲われてたまたまあの教会にたどり着いただけ!私が助けただけ!」
「わかったわかった。落ち着け!俺もあのミイラを見たが、あの骨の大きさはどう見ても大人だ…子供のお前らができるとは思ってない。だが…床に落ちていた羽…あれが少しヤバい」
ギルマスは余計な話はせず、すぐに本題の話を始めてきた。話の中で羽にまつわる昔話を聞く…
今よりかなり昔、人族と魔族が領地を広げようと戦争を繰り返していた。その当時の魔族の力はとても強く、人族は徐々に追い込まれあの教会手前の森でギリギリ耐えていた。「この森を抜けられると町まですぐそこだ。ここで耐えないと人族は全滅するぞ」人族は頑張って耐えていたがもうダメだと思った時、空から一筋の光が差し天使が降りてきて、魔族に攻撃し始めた。力の強い魔族は天使からの攻撃で亡くなり、形勢逆転!魔族の進行を耐えぬきました。それ以来…天使様は人族に信仰されている。…こういう話が人族にあるため、拷問部屋、骸骨と羽が一緒にある部屋はヤバいと教えられる。
「この件は俺1人では決めれない…領主が2人と会い話してみたいそうだ。どうにかしてやりたいが…すまん。権力には勝てん」
「いえ、今までありがとうございました。領主の屋敷に行ってみます」
領主に呼ばれていると聞かされ、ギルドを出ようとすると周りにいた冒険者たちの会話が聞こえてくる。
「あいつら魔族なんだろ?」
「早く追い出せよな~」
聞こえてないふりをし、ギルドを出て領主の屋敷に向かう2人。
領主の屋敷に到着した2人、門兵に領主から呼ばれていると伝えると少し待たされ、メイドを連れてきた。メイドに領主がいる部屋まで案内される。
「俺がここの領主だ」
「私はリリスです」
「…リンです」
「こんな小さな子供たちが魔族だと?…どうしたもんか」
リリスは手を上げ…
「この子は人族です。魔族は私、私だけにしてください」
「庇いたいのはわかるが…一緒に行動している時点でダメだ」
なんとか私だけを対象にしたかったリリスだが断られ、どうしようかと考えている時…バァン!と扉が勢いよく開けられ1人の女性が現れた。
「アルベルティーヌ何事だ?」
「この屋敷に小さな子供が来た。と聞いてきたのですわ」
領主の娘アルベルティーヌは欲しいと思ったら何がなんでも手に入れようとする性格のため、今回もリリスたちを手に入れようと考えていた…。
無難にこの地を追い出したい領主…。リリスたちを欲しがるアルベルティーヌ…。
親子で話は纏まらず、アルベルティーヌが決闘で決めようと言い出す。
「あなた魔力持ちの冒険者ですよね?ここは私との決闘で決めましょう」
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