第172話 どんどん強くなっていく
赤い火属性の石を触り終えたリリスたち。火属性の石で新しい魔法を覚えられたのは3人だった…。属性は違うがまだ6つも石があるため、リリスと妹たちはワクワクと楽しそうに次の石に触っていった。
「じゃあ次はこの青色に触ってみようか?たぶん水属性じゃないかな?」
「は〜い」
「そういえば…水属性持ってるのってリンだけだったね?」
「そうだね。私は最後でいいよ?みんな先にどうぞ?」
「そう?じゃあ…先に触っちゃおうか?」
「は〜い」
「うん」
「じゃあ、お姉ちゃんから触るね?」
「うん!」
「は〜い」
「…それっ」チョン
「私も〜」チョン
「アリアも〜」チョン
「ダメだった〜」
「うん。お姉ちゃんもダメだったよ。やっぱり属性持ってないとだね〜」
「私もダメだった…」
「私も〜」
「そっか〜。マリーもミーナも水属性持ってないもんね」
「うん」
「でも、特別に覚えるかも知れないから、持ってない属性の石も触るだけ触ってみようね?」
「うん」
「は〜い」
次に青色の石を触る事にしたが、水の属性を持っているのはリンだけのため思った通り誰も覚えなかった…。
「さぁ、リサとエレナも次は青色に触ってみようね?」
「はい!」
「うん」
「さっきと同じようにぐるぐるしてから触ってみてね?」
「はい。…ぐるぐるして、それっ」チョン
「…それっ」チョン
「ん?リサ?」
「あっはい!」
「水属性も覚えたの?」
「そうみたいです。…ウォーターですね」
「すごっ!2属性も?よかったね~リサ」
「はい!火に続いて水もなんて…」
「うんうん。魔法名からして一番小さな魔法だね?ほんとメイドさん用だね」
「はい。嬉しいです」
「エレナはどうだった?」
「…ダメだった」
「そっか〜。でもね?魔法を使える人ってすごい少ないんだよ?例え1つだけでも凄い事なんだからね~」
「そうなの?」
「うんうん。だから元気だしてね?まだ5つもあるから、まだ覚えられるかも知れないよ」
「うん!」
なんと!青色の石を触ったリサも水魔法を覚える事ができた。覚えれなかったエレナは残念そうに元気を失いそうになるが、魔法を使える人がそもそも珍しい事だとリリスから聞くと次の石にまたワクワクと期待し始めた。
「お待たせ。リン」
「うん。じゃあ触ってみるね?…それっ」チョン
「お?リン?リン?」
「あっ…えへへ。やっぱ慣れないね〜」
「ね〜。どうだった?」
「ウォーターウォールってのを覚えたよ~」
「よかったね~。私のファイヤーウォールのお水のやつぽいね~」
「うん。ありがとう」
「リンちゃんおめでとう」
「おめでと〜」
「うん。ありがとう〜」
「まだまだ石はあるからね。次はどれ試す?」
この後もリリスたちは同様に風属性であろう緑色の石も触るが、風属性を持っているリリス、ティム、ミーナが触っても誰も新しい魔法を覚える事はなかった…。
「ありゃ…誰も覚えなかったね〜」
「ね〜。まだ覚えられるくらいの魔力が無かったのかな?」
「かな?ぐるぐるを続けて魔力増やさないとだね~」
「うんうん。風魔法は凄い危ない魔法だから…ちょっと安心しちゃった」
「そうだね。ウィンドカッターだけでも凄いもんね」
「うんうん」
「どんどん触るよ〜?次は土かな?リンの指輪だね」
「は〜い」
人や魔物の体をスパスパ切れるウィンドカッターの威力をこれまで何度も見てきたリリスたちは、今以上の風魔法が手に入らなくて…逆にホッとしていた。
次はいよいよ土属性を試す番になったので、リサとエレナはリンの指輪に触ってみる事にした。
「リサとエレナ以外でリンの指輪に触った事ない子っていたかな?」
「アリアちゃんとミーナちゃんかな?」
「2人もリンの指輪触ってみる?」
「うん」
「触ってみる〜」
「はいはい。じゃあ同じようにぐるぐるして触ってね〜?」
「は〜い」
「どう?」
「ん〜ダメだった…」
「アリアも〜」
「あら…残念。でもまだ石あるからね」
「うん!」
「は〜い」
「リサ?触ってみようか?」
「はい。んっ…それっ」チョン
「ダメっぽいね…」
「はい。ダメでした…」
「まぁ、リサはもう2つも属性あるもんね」
「はい!」
「エレナ?触ってみようか?」
「うん。ぐるぐる…えいっ」チョン
「ん?その感じ…何か覚えた?」
「う〜ん…」
「どうしたの?」
「なんか…さっきと違ってて…」
「えっ!どんな感じかな?」
「文字の上から☓してあったよ…」
「初めてのタイプだね?お姉ちゃん」
「うん。何か条件があるのかな?」
「かな?魔法名が出てきてるって事は、魔力は大丈夫って事よね?」
「たぶんね…。キツネさんといえば…う〜ん」
初めてのタイプを見つけてしまったリリスたち。文字の上から☓されているとはいえ…魔法名が出てきているって事で半分はクリア出来ていると考えてみる。
「きつねさん…キツネさん…狐さん。狐の話をどこかで聞いたような…」
「リンちゃん?」
「なぁに?マリーちゃん」
「私も指輪触っていいかな?前に触った時はまだ人族だったから…」
「あっそうだね。いいよ〜」
「ありがと。じゃあ…それっ」チョン
「マリーちゃん?」
「わっ!これ危なそう…」
「え?何を覚えたの?」
「リーフカッターだって…」
「へぇ~。カッターの魔法は気を付けないとだね?」
「だね。私は植物魔法のはずだから…リーフってなんだろ?」
「ねぇ?お姉ちゃ…」
「きつねさん…何かあったと思うんだけどなぁ〜」
「ありゃ…すごい考えてる。何も無い安全なとこで試してみたら?マリーちゃん」
「うん。安全なとこか…」
「前のベッドの部屋は?壁に向けて使えばいいんじゃない?」
「あっそっか!石の壁だもんね。さすがリンちゃん」
「えへへ」
「ちょっと試してくるね?」タタタッ
「うん」
「…《リーフカッター》」
考えこんでしまったリリスの横で、新しい魔法を覚えたマリー。自分の魔法が植物を使った物だとは知っていたが、プラントとは違う魔法が出てきたため何を使った魔法なのか気になり試しに行ってしまった。
「あっおかえり。どうだった?」
「ただいま。やっぱ植物だったよ…今回はこれだね。葉っぱ」
「へぇ~。カッターだからこれが飛んでいったの?」
「うんうん」
「お〜。また攻撃魔法だね。おめでとう」
「あ、ありがとう。なるべくは使わないようにしないとだね」
「そうだね。お姉ちゃん?マリーちゃんが新しくっ葉っぱの魔法覚えたよ〜」
「へぇ~。葉っぱの魔法…ん?葉っぱ?」
「へ?お姉ちゃん?」
「葉っぱ…きつねさん…。あっ!わかったぁ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます