第164話 少し寄り道…
ミーナの村へは難しい道順は無く、リンとティムの村からまっすぐ一本道で行けるとの事だった…。リリスたちはさっそくギルマスに教えて貰った隊列を組みどんどん村へと近付いていく。
「じゃあ行くよ?一応、隊列組んで行こうね」
「は〜い」
「リンたちの村までは私は真ん中に下がってるね?ティムとミーナで前を頼むね?」
「うん」
「は〜い」
「アリア、手繋ぐ?」
「うん!わ〜い」
「あっ…」
「はいはい。リサもね?」
「はい!あぁ…お姉様の手」キラキラ
「リン?マリー?後ろ頼むね?」
「わかった〜」
「うん」
「そういえば…結局ティムは村に帰ってなかったよね?」
「そうだね~」
「ティム?通り道だし、村見たいなら時間作るよ?」
「う〜ん…お家って残ってるのかな?」
「ティムちゃんの家と私の家はボロボロですぐ壊れそうだけど、一応まだ建ってたと思うよ?」
「へぇ~。じゃあ少しいい?お姉ちゃん」
「うんうん!いいよ」
何回か休憩を挟み、7人はリンとティムが住んでいた村に着く事ができた。
「前回は空飛んで来たからすぐ着いたけど、歩くと結構かかるね〜」
「だね〜。ミーナちゃんの村はここからもっと奥なんでしょ?ほんと…よく無事に会えたよね」
「ね〜」
「お姉ちゃん着いたよ。私とリンちゃんが住んでた村…」
「うん。もういないはずだけど、盗賊や魔物がいた村だから1人で歩かないようにね?絶対に誰かと行く事!」
「は〜い」
「うん」
「うん。じゃあ自由にしていいよ?少ししたら集まってね?」
「うん」
「は〜い」
「リンちゃんいいかな?」
「いいよ。ティムちゃん」
「お姉様?ご一緒します」
「アリアも〜」
「うん。わかったよ」
「ミーナちゃんは私とだね?」
「うん。マリーちゃん」
「うわぁ〜ほんとにボロボロ…」
「うん。もう私の家とティムちゃんの家しか残ってないけど、ここもすぐに壊れそうだね…」
「…うん。リンちゃん、私の家なら何か使えそうな物残ってるかも知れないよ?」
「あっそっか!ティムちゃんの家、村長さんだったね?」
「うんうん。何か残ってないか見てみよ?」
「うん!」
「何も無いね…」
「うん。…ねぇティムちゃん?あそこは?」
「へ?どこ?」
「ほら?えっと…地下の倉庫!」
「あっ!あれってどこだっけ?」
「家の中なのは確かよね〜?」
「…うん。たぶん…」
「みんなで探そうか?呼んでくるよ」
「うん」
リンとティム以外のリリスたちはすでに村の入り口に集まっており、リンはすぐにみんなを見つける事ができた。リリスたちを見つけたリンはリリスたちに近付いて行く。
「お姉ちゃ〜ん」タタタッ
「ん?リン?ティムは?」
「みんな来て欲しいんだけどいいかな?あっティムちゃんは大丈夫だよ」
「いいけど…どうしたの?」
「今残ってる家って…私とティムちゃんの家でしょ?ティムちゃんの家は村長さんの家なのね。もしかしたら…使える物が残ってるかもなの?」
「へぇ~。そうなんだ…」
「見える範囲には何も無いけど、昔ティムちゃんと地下倉庫で遊んだのを思い出してね?一緒に入り口探して欲しいの」
「いいよ。みんな行こっか?」
「うん」
「は〜い」
「ティムちゃん、みんな呼んできたよ〜?」
「あっうん。ありがとう」
「ティムの家は村長さんだったのね?」
「うん。何か残ってると思ったんだけど…。後は地下倉庫だけなんだけど入り口の場所忘れちゃって…」
「いいよ。手伝うね?」
「ありがとう」
リリスたちはこの家にあるはずの地下倉庫への入り口を探し始めた。全員が家の中に入るのは危ないと思い、数人を外に出して入り口を探すリリス。
「探すのはいいけど、この家に全員で入るのは避けたいかな?」
「ああ〜。いつ壊れてもおかしくないもんね」
「アリアとミーナは外で待ってくれる?もし、崩れてきたらヒール出来る人いなくなっちゃうからね?」
「う、うん」
「ミーナ?アリアの事頼んでいい?」
「うん。わかった〜」
「リサとマリーは私と入り口探してくれる?」
「はい!」
「うん」
「リンちゃん?あの時ってどうしてたか覚えてる?」
「確か…家の中でかくれんぼしてて…」
「何回か繰り返し遊んでたよね…?」
「うん。…もう隠れる場所が無くなって」
「うん。私もそこまでは覚えてる」
「えっと…確かすごい汚れて、ティムちゃんのお父さんに2人とも怒られたよね?」
「うん…ここは火を使う場所だから危ないって」
「リン!ティム!それだよ?火を使う場所を探そう」
「あっ!そっか」
「この家で火を使う場所は…台所と…暖炉だ!」
リンとティムの記憶を頼りに暖炉があったと思われる所を探し出すリリスたち。ついに暖炉の奥に隠し扉を見つけた。
「あったぁ!この扉だよ。リンちゃん」
「うん。何と無く覚えてるよ」
「リン?さすがにせまいから任せていい?」
「うん!ティムちゃんと見てくるね?」
「うん」
「お姉ちゃん、アリアちゃんたち心配だから私も外に出てるね?」
「うん。ありがとマリー」
「真っ暗だね〜」
「うん。待ってね?《ライトボール》」ピカー
「へぇ~。こんな部屋だったんだ…」
「ね〜。みんな待ってるから大事そうなのはポーチに入れていこうね」
「うん!」
「…ここも何もないね。あるのは…この本くらいかな?」
「そうだね〜。あっ!これ綺麗な石〜」
「ほんとだね〜。何個かあるね?」
「ね。全部持って行こうか?」
「うん。じゃあそこの本も持ってこ?」
「うん!早く出よ?お姉ちゃん待ってるよ?」
「そうだね〜」
リンとティムは暖炉奥の隠し部屋から出てくると、リリスに綺麗な石6個と1冊の本を渡した。
「ただいま〜」
「おかえり。リン、ティム」
「お姉ちゃん、これが見つかったよ?」
「わぁ。綺麗な石だね〜」
「これも…はい」
「6つもあったんだ?これは…本?」
「うん。他は何も無かったから、大事そうにしてた本と石だけ持ってきたよ」
「ありがとね。お姉ちゃんが纒めて持っておくね?」
「うん」
「は〜い」
「本はあとでゆっくり読んでみようね?」
「うん」
「みんな待ってるよ?早く行こ?」
「は〜い」
リリス、リン、ティム、リサは今にも崩れそうなティムの家から出てくると、マリーとアリアとミーナが心配そうにしている顔が目についた。
「お姉ちゃ〜ん」タタタッ
「アリア!…どうしたの?何かあった?」
「ううん。何も無いよ…。今にも崩れそうだったから、アリアちゃんがずっと心配してたの」
「そっか。大丈夫、何も無かったよ〜」ナデナデ
「…お姉ちゃん」ギュー
「心配させちゃったね…ごめんね」ギュー
「…うん」
「リンちゃん何か見つかったの?」
「うん。綺麗な石が6個と1冊の本が大事そうにしまってあったから、お姉ちゃんに全部渡したよ?」
「へぇ~」
「これだよ。色違いの綺麗な石6つと1冊の本ね」
「綺麗だね〜。ん?リンちゃんの指輪見せてくれる?」
「え?うん。はい」
「お姉ちゃん、これって…」
「え?なになに?」
「これ、もしかして…元は7つだったのかも」
「あっ!同じ綺麗な石!」
「うん。リンちゃんの指輪の石の色だけ、こっちに無いでしょ?」
「ほんとだ。じゃあもしかして…この石って」
「うん。リンちゃんの指輪の石と同じなら、そうかもね…」
「リンの指輪がお母さんの形見だから…リンとティムって親戚なのかも知れないね?」
「え?私とティムちゃんが親戚?」
「そういえば…何か家でお祝いする時は絶対リンちゃんの家も呼んでたよね?」
「そういえば…そうだね。ティムちゃんのお父さんやお母さんが凄い優しかったのは、私が親戚だったからなんだね…」
「この石で魔法が覚えられたら…本物だね」
「うん」
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