第163話 ミーナの村へ…

 改めてリサをリリスの横に座らせると、みんなで一緒に朝ご飯を食べ始めた。


 「さぁ温かいうちに食べよ?せ〜の…」

 「いただきま〜す」x7

 「リサ?はい…あ〜んして?」

 「え?お姉様?」

 「いいからいいから…あ〜んして?」

 「あ、あ〜ん」パクッ

 「美味しい?」

 「はい!」

 「よかった。食欲はあるみたいだね…。リサはハーフだから本当に心配したんだよ」

 「…お姉様」

 「お姉ちゃん?いい話してるとこ悪いんだけど…周り見てね?」

 「え?…あっ」

 「お姉ちゃん…」

 「お姉ちゃん…」

 「ティムとアリアもあ〜んして欲しいの?」

 「…うん」

 「うん!」

 「いいよ。…はい、あ〜んして?ティム」

 「あ〜ん」パクッ

 「美味しい?」

 「うん。お姉ちゃんも…はい、あ〜ん?」

 「うん。あ〜ん」パクッ

 「…アリアも〜」

 「いいよ〜。はい、あ〜んして?」

 「あ〜ん」パクッ

 「美味しいね〜」

 「うん!」

 「お姉ちゃんにも…はい、あ〜ん?」

 「あ〜ん」パクッ

 「美味しい?」

 「うん。美味しいよ〜上手に作れたねアリア」

 「うん!やった〜」

 「これ、アリアちゃんが作ったんですか?」

 「そうだよ。私は焼いただけ…アリアがほとんど1人で作ったんだよ。ね〜?」

 「う、うん。混ぜてお団子作っただけだよ…」

 「アリアちゃん上手だね。私も作りたかったなぁ…」

 「じゃあ次作る時はリサにも手伝ってもらおうかな?」

 「はい!頑張ります」


 無事、妹たちに赤い液体を飲ませる事ができたので…ミーナの村へ出かける前にリサの体を調べる事にした。


 「ごちそうさま。みんなちゃんとトマトのソースまで食べてるね?」

 「うん。お肉と一緒だと食べれたよ」

 「よかった。リサもよく聞いてね?私たち吸血鬼は血液か赤い液体を飲まないと死んじゃうの。トマトで大丈夫だと思うから、食べやすく工夫していこうね?」

 「…はい。あの…お姉様?私も吸血鬼になれたんでしょうか?」

 「ちょうどいいからリサの体調べとこうか?」

 「はい!どうすればいいですか?」

 「ステータス見てみようね?ステータスオープン!って言えば、目の前に透明な板が出るはずだよ?」

 「ステータスオープン!…わわっ」

 「リサ?それはあなたにしか見えてないから、声に出して私たちにも教えてくれるかな?」

 「わ、わかりました…」


 名前:リサ(5才)

 種族:吸血鬼(魔族)

 体力:100

 魔力:800

 スキル:礼儀作法

 種族スキル:吸血

 称号:リリスの眷属

   :リリスの側仕え


※定期的に血液または赤い液体を摂取しなければ体調不良から死に至る。

※吸血スキルを使用し血液を摂取すると血液に含まれている魔力…稀に能力も取り込む事が可能。

※詳細なステータスを見るにはスキルが必要。


 初めて見る透明なステータスボードにびっくりしながらも、自分の能力を確認していくリサ。

 声に出して読み上げ、リリスたちに聞いてもらい始めた…。


 「ふぅ。で、では…上から順に読みますね?」

 「うん。みんな静かにね〜」

 「は〜い」

 「うん」

 「では…名前、リサ、5才」

 「名前は大丈夫だね…」

 「種族…吸血鬼、魔族」

 「…よかった」

 「体力100、魔力800…」

 「お?魔力まで…」

 「スキル…礼儀作法、種族スキル…吸血」

 「へぇ~」

 「称号…リリスの眷属、リリスの側仕え」

 「え?…」

 「以上です。あと…何か長い文字が3つほどあります」

 「それっ!それが羽はやせるかの条件だから、読んでみて?」

 「はい!定期的に血液または赤い液体を摂取しなければ体調不良から死に至る」

 「うん。さっき言ったやつだよ。トマト食べようね」

 「はい。…吸血スキルを使用して血液を摂取すると血液に含まれている魔力…稀に能力も取り込む事が可能」

 「それだよ〜。あったね。よかったね~」

 「あとは…詳細なステータスを見るにはスキルが必要。これで最後です」

 「うん。最後のはあまり気にしなくていいよ。上の2つが大事だからね?」

 「わかりました。私も吸血鬼になれたんだ…」

 「うんうん。魔力も付いてきたね〜」

 「はい。私も魔法が使えるのでしょうか?」

 「う〜ん。調べないとわからないから、今は使える可能性が出来たと思ってていいよ?今日はお出かけするから、また時間ある時に調べようね」

 「はい!わかりました。お姉様」


 リサも無事に魔族になり、リリスの眷属になれた事をみんなで喜び、お祝いし始めた。


 「リサちゃんよかったね?おめでとう」

 「おめでと〜」

 「リサお姉ちゃんよかったね?」

 「はい。ありがとうございます」

 「お姉ちゃん?リサちゃんのスキルの礼儀作法と、称号のリリスの側仕えって…?」

 「うん。メイドのスキルだろうね?称号もたぶんリサ本人が私のメイドになりたいって言ってたから、そこから付いたんじゃないかな?」

 「そっかぁ〜。よかったね?リサちゃん」

 「はい。私がお姉様のメイドとして認められたって事ですよね?」

 「そうだね〜。頑張ってね」

 「はい!」

 「もしかしたら…メイドに必要な魔法なら使えるようになってたりしてね?台所やお洗濯で火や水は必要だろうし…」

 「ほんとですか?」

 「待ってリサ!これは私の予想だからね?使えたらいいな〜って。ね?」

 「そ、そうですね…。欲しいな…魔法」


 リサの体の変化もわかった所で、そろそろ出かける事になった。リリスたちはそれぞれ出かける準備を始める…。


 「そろそろ、お出かけするよ?外から鍵かけれないから大事な物は置かないようにね〜」

 「は〜い」

 「うん」

 「わかりました」

 「じゃあお出かけ準備出来た子から、外に集合ね?みんな揃ったら出発するよ」

 「は〜い」

 「うん」

 「お顔洗ってちゃんと目を覚ましてね?魔物もいるんだからね〜?」

 「は〜い」

 「うん」

 「私は使った食器片付けよかな…。リンたちはお顔洗っておいで?」

 「は〜い」

 「うん」

 「お姉様、私も手伝います」

 「ありがと。じゃ私が洗うから、リサは食器を持ってきてくれる?」

 「はい。わかりました」

 「…よし。これで最後っと…リサありがとね」

 「いえ。いつでもお手伝いしますよ」

 「ありがと。リサもお顔洗っておいで?ちゃんと目を覚まさないと危ないよ?」

 「はい。わかりました」

 「準備出来たら外においでね?」

 「はい!」


 顔を洗いちゃんと目を覚ました妹たちは、髪を櫛でといて身支度を整えていく。数分後、準備ができた子たちから外に出てきた。


 「ん〜。いいお天気…これならピクニック気分にしてあげれるかな…」

 「お待たせ〜」ガチャ

 「うん。みんな来たかな?」

 「は〜い」

 「うん」

 「いるよ〜」

 「はい」

 「うん!」

 「よし。じゃあ行こうか?ミーナ?前いいかな?」

 「うん。村はリンちゃんたちの村の奥だから…」

 「わかった。じゃあまず、リンたちの村を目指そうね?そこからミーナにお願いするよ」

 「は〜い」

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