第10話 リン、記憶喪失?
「ねぇ?ねぇ?ってば」ユサユサ
お庭の近くの木にもたれて倒れていた女の子…自分が寝ていたベッドまで抱えてきたけどまだ起きる様子がない。
「あっ!ルシファー様からの木箱。何か使えるものあるかな?」
どうしようと悩んでる時、ルシファー様から送られていた木箱の存在を思い出した。中に入っている物をどんどん取り出していくリリス。
「果実、パン、小さなウェストポーチ2つ、あと私の着替えか…これあまり好みじゃないかも」(やっぱりお着物だよねぇ~)
「他に何かないかなぁ~?…ん?これ何か薬っぽい?あ、でも一応少し調べないと危ないね」
「本棚に草木や薬の本もあるんだっけ…?小瓶に入ったキラキラした水、アイテム図鑑に載ってるかな?」
木箱の中に入っている物を出しているとキラキラと光る水が入った小瓶を見つけたが、この水がわからないリリス。このまま飲ませるのは危険だと思い本棚にある本から薬に関係しそうな本を調べ始めた。
「※ポーション:微力な気付け薬にもなり失った体力を回復させる液体。魔力の力で液体がキラキラと光る。薄い水色~濃い水色まであり色が濃いほど効果がある。これだぁ!」
「さぁこれ飲んで?元気になるよ?」
リリスは女の子の頭を少し起こしてあげ、口元にポーションの小瓶を持っていき女の子に飲ませてあげた。すると…
「…ん…うーん」
「大丈夫?」
女の子が目を覚まし目をパチパチさせる。
「え?ここどこ?」
「私のお部屋だよ~あなた私がいる教会の近くの木にもたれたまま倒れてたんだよ?」
「あっ…そっか。助けてくれてありがとう」
「なんで?あんな所で倒れてたの?」
「…たしか、私がいた村が盗賊に襲われて……痛っ!」
女の子は目を覚ました。だが、何故?あそこで倒れていたのか事情を聞き始めると、頭に手を当て苦しみだした。
「え?え?どうしたの?頭いたいの?どうしよ…」ウロウロ
「大丈夫、大丈夫。少し横になるね…寝てれば良くなると思う」
女の子は大丈夫だと言うとベッドに横たわる。
「お名前覚えてる?」
「うん。私、リンっていうの」
「可愛いお名前だね♪私はリリスっていうんだよ」
「リリスちゃんも可愛いお名前。一緒だね♪」
「ここには私しかいないはずだから、もっと休んでていいよ~」
「ありがとう」
倒れていた女の子はリンという名前だった。少ししか話していない2人なのに、初めて会った気がせずすぐに打ち解け仲良くなれた。
「リンちゃんいっぱい寝てたね~もう夕方みたいだよ」
「そうなんだ…リリスちゃんありがとね」
「うん。何か食べる?」
「いいの?リリスちゃんの分じゃないの?」
「私の分もあるから大丈夫だよ。パンと果実くらいしかないけど…いいかな?」
「うんうん。ありがとー」コクコク
リンが目覚めた時、外はすでに夕方になりリリスも一緒に部屋の中でのんびりしていた。
2人はご飯を食べ、眠くなるまでお喋りをし一緒にベッドに入って眠りについた。
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