第11話 魔力の確認をしよう

 次の日、ゆっくり体を休められたリン。

 目が覚めた2人が顔を合わせて…


 「おはよ」

 「おはよ~」

 「体の具合どうかな?」

 「もう大丈夫だよ。ありがとね」


 今日はどうしようか考え始めたリリス…

 「リンちゃんの村、盗賊に襲われちゃったんだよね…?」

 「…うん」ズキッ

 「あっ、ごめんね。どうする?1度村見に行ってみる?」

 「ダメッ!近くにまだ盗賊いるかもしれない」


 襲われた村の事、リンの家族が心配してそうな事が気になりそれとなく聞いてみるが…盗賊がまだいるかもしれない…と必至に止めにきた。

 これ以上は何も言わない方がいいと思ったリリスは…


 「…そうだね。今日はゆっくりしよっか」

 「うん。…ごめんね」

 「ねぇ?歩けそうなら上のお部屋行かない?このお部屋、このランプとあの小さい窓しかないから本も読めないよ?」

 「そうだね。何冊か持っていこっか」


 今日は大人しくお家で過ごすことに決まり、明るい部屋に移動しようとする。

暗い地下室、本棚から数冊の本を手に取り上の明るい部屋に向かっていく2人。

 向い合わせに並んでいた椅子を移動させ、横並びにし仲良く並んで本を読んでいく。


 「リリスちゃんはどんな本読んでるの?」

 「ん~いろいろ勉強できる本?私のために用意してくれたみたい」

 「そうなんだ…」

 「後でリンちゃんにも教えてあげるね~」

 「わぁい♪何の本だろ~気になる~」


 まさか今話してる相手が、自分が探してる夢ちゃんだと知らないリリス…咄嗟に転生してきた事、転生時にルシファー様からもらった本の事を隠すように会話する。


 「ふふふ…なんかリンちゃんって私が探してる人に似てるかも…」

 「え?私もリリスちゃん誰かに似てるなぁ~ってずっと思ってたの。こんな感じの優しいお姉ちゃん…どこかで会ってるような気がして」

 「私たち似てるね?」

 「そうだね~お名前も「リ」だしね♪」

 「ね~♪リンちゃんは何歳なの?」

 「5才だよ。リリスちゃんは?」

 「私は6才だよ」

 「じゃあリリスちゃんお姉さんだ」

 「ここまで似てるなんて…私が探してる人も年下だったんだぁ」

 「…あのね、これからお姉ちゃんって呼んでもい~い?」

 「うん、いいよ。名前似てるし丁度いいね♪」

 「やったぁ♪1人っ子だったからすごい嬉しい♪おねぇ~ちゃ~ん」

 「よしよし。よろしくね~♪」ナデナデ

 「うん♪おねぇちゃんよろしくね♪」


 自分に年上のお姉ちゃんができたリンは大喜びし、リリスに抱きつくと優しい手つきで頭をなでなでされるリン。

 たまに、覗かせる夢ちゃんのような仕草をするリン。を見るリリス…仲良くなればなるほど似ている箇所が増えていく2人。並んで本を読みながら楽しくお喋りするのでした。


 「リンちゃん?」

 「なぁに?お姉ちゃん」

 「さっき私が読んでた本、読めた部分あるから教えてあげるね?」

 「ほんと~?ね~ね~どんなお話?」

 「魔力のお話だよ。これがあると魔法が使えるかもなんだって」

 「え?魔法?すごいすごい」

 「すぐ出来るみたいなんだけど、やってみる?」

 「うんうん!」コクコク

 「私も初めてだから本読みながらやってみようね~」

 「はぁい」


 楽しくお喋りしながらもちゃんとルシファー様からもらった本を読んでいたリリス。まだまだわからない事だらけの中、なんとか魔力に関係する初歩は読み解けた。リリスもさっそく試してみたいのか、リンを誘いすぐに魔力確認の初歩を試し始める。


 「私からやってみるね?」

 「うん」

 「おめめ瞑って、おへその下を意識するんだって」

 「へぇ~」

 「おへその下がだんだん暖かくなってきたら、今度はその暖かいのを動け~動け~って体全身にぐるぐるするんだって」

 「そうなんだぁ?それでどうなるの?」

 「体全身にぐるぐるできる人は魔法が使える可能性があるんだって。…あっ!暖かいのあったぁ」

 「おめでと~♪お姉ちゃん魔法使えるかもなんだね」


 ルシファー様からもらった本の通りにやってみるリリス…だんだん体がポカポカしていくのがわかった。体の中の暖かいのに意識を集中させ体の全身をぐるぐる流れるように魔力を動かしていく。


 「うん。ありがと。さぁリンちゃんもやってみよ?」

 「お姉ちゃん!!もう、ちゃんいらないよ。リンって呼んで?」

 「そうだね。私たち姉妹になったもんね。さぁリンもやってみよ?」


 もう、ちゃん付けはいらない。姉妹はちゃん付けない。とリンは言い出し2人はさらに仲良くなれた。

 魔力の流れをわかりやすくするため、リリスの太股にリンの頭をのせ仰向けに膝枕する…


 「楽にしてね~?おへその下を意識して~ここね」お腹スリスリ

 「お姉ちゃんくすぐったいよ」キャハハ

 「暖かいのあったかな?」

 「あったぁ~」

 「じゃあ次は動かしてみようね?ぐ~るぐ~る」

 「暖かいの動け~ぐ~るぐ~るっと…できたよ!」

 「おぉ~おめでと♪リンも魔法使えるかもだね~」

 「やったぁ♪ありがと」


 リンもリリスも2人揃って魔力がちゃんとあることがわかり歓びあった。

まだ練習方法があるとリリスがリンを誘う…


 「次はねぇ~2人手つないでやってみる?」

 「うん。これはどうなるの?」

 「なんかね…2人で一緒にぐるぐるさせると魔力がさらに上がるって書いてるんだけどね…まだよくわかんないや」テヘッ

 「やってみたらわかるかな~?」


 魔力を上げるための方法がまだあると言うリリスだか…自分もまだよくわかってないと言い少し心配になる2人。

 2人仲良く魔力の練習をしようとした時、コンコン!と扉をノックする音が聞こえてきた…。

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