第2話 初めまして!
昨日の夜、先生や子供たちが一斉に食堂に集まり夜ご飯を食べていると…
「はーい」パンパン(手をたたく)
子供たち全員が注目したのを確認する先生。
「明日、このお家に新しいお友達が来ることになりました~♪みんなちゃんとご挨拶して仲良くしてあげてね」
「はぁい」(子供たち全員)
「どんな子かなぁ?男の子かな?女の子かな?」
など、いろんなお喋りを始める子供たち。
私は先生のお部屋で早めに教えてもらっていたので、少し優越感に似た感情が芽生えていた。まぁ先生以外の人と上手にお喋りできないから、どちらにしても無口でひたすら夜ご飯食べるしかできないんだけどね…。
夜ご飯を食べたら、次はみんな順番にお風呂に入り昨日はすぐ寝てしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1台の自動車が私のいるこの施設にやってきた。
その自動車は、白色と黒色の2色で屋根には赤いランプが載っていた。ドアを開くと、帽子をかぶり肩から紐のような物をぶら下げ腕に腕章を着けた大人の女性と、小さな女の子が手を繋いで自動車から降りてこっちに向かって歩いてきた。
大人の女性と小さな女の子が先生の前で止まると、
「お電話でお話していましたお嬢さんをお連れしました」
と言い、先生と話し始めてしまいました。
私は大人の女性のすぐ側にいる女の子と目を合わせると…同時に何かがビビッとしたのでびっくりして動けないでいた。
数分後、先生たちのお話が終わったらしく大人の女性は女の子の頭をなでなで、「またね♪」と言い自動車に戻って帰って行った。
「さぁみんなお家に入ってね~挨拶はお家入ってからね」
「はぁい」(子供たち全員)
みんなが施設内の食堂に集まり、先生と女の子と私も食堂に向かっていく。
「みんないるね?じゃあ紹介するわね。」
先生は女の子を側に呼び寄せ…
「この子のお名前は夢ちゃんです。歳は4才だったかな?」
先生の足にくっ付きながら、コクンと頷く女の子。
一度にこれだけの人数に注目されれば、そうなるよねぇ。私が今のあの子の立場なら絶対同じことする自信あるよ。
「みんな仲良くしてあげてね♪」
「はぁい」(子供たち全員)
子供たちがゾロゾロと先生と夢ちゃんの周りを囲み、それぞれの名前を名乗り挨拶している。先生は子供たちの相手をしながらも私を見てくれたけど、私はまたその中にも入っていくことができなかった…。
挨拶も終わり、集まりは解散となったが夢ちゃんの周りにはまだ女の子たちがワイワイはしゃいでる…私、全然挨拶できないな…。
「先生!今日の夜ご飯は少し豪華にできませんか?」
「いいわね♪今日の夜ご飯は夢ちゃんの歓迎パーティーにしましょうか」
「わ~い♪」(女の子たち)
「先生~ケーキも作るんだよね?私手伝うよ?」
などなど、私の後ろではしゃいでる女の子たち。私はバレないように小さなため息をそっと吐いた…
数時間後、いつも通り先生のお部屋を訪ねるとそこには少しお疲れの夢ちゃんがいた。
「…先生、…ごめんなさい。ちゃんと挨拶できなかった…」
「うんうん。ちゃんと謝れてえらいね。みんな集まってるとこに入っていくのは難しいよね…でもまだ大丈夫だよ?夢ちゃん、真夜ちゃんのこと待ってるよ?」
先生は私と夢ちゃんを側に呼び…
「このお姉ちゃんが夢ちゃんとお話したいって…お話してみる?」
「……うん」
「あら?他の子たちには一言もお話しなかったのに…私の予想通り何か通じるものがあったのかな?」
「…わかんない…でも…お姉ちゃんと…お話しないと…めっ…おもたの」
「うんうん。じゃお話してみようね~」
「先生ちゃんと側にいるからね。先生以外の人にもちょっと頑張ってみようね」
先生は私に一声かけ、少し横にずれてくれた。
「……あの……はじめ…まして………真夜…よろしくね」
辿々しいがなんとか、声にできた。
「…うん。……お姉ちゃん、よろしくね」
夢も私と同じような境遇とのことだからすごい頑張ってくれたはずだよね。
夢ちゃんありがと。よろしくね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます