第8話 これが私?

 堕天使ルシファーの力で魔族になってしまった真夜は、リリスという名前をもらい転生させられ…とある小さな部屋で目覚めるのだった。


 「あれ?私どうなったんだっけ?」


 周りを見渡すと、天井付近に小さな明かり取り窓はあるものの…目が慣れるまで動けなかった。


 「ここも真っ暗だよぉ…何か近くにあったりしないかなぁ」


まだリリスの目が真っ暗な部屋に慣れていないため、手を前に出し手探りで周囲を触り始めた。

 コツンと何かに当たった!ゆっくり触っていくと…ランプのような物があるとわかりスイッチを見つけた。押してみるとランプが光り、やっと自分の周辺が照らされた。


 「やっと見えるようになったね。あれ?この本なんだろ?」


 ランプの横には、1冊だけぽつんと本が置いてあった。


 「そういえば…ルシファー様最後になんか言ってたような?…気がする」


 本を手に取り、表紙を開いてみると1ページ目に「ステータスオープン」と発声しろ!と書いてあった。


 「これ…やっぱりルシファー様からだ。怖そうな人だったけど、私のために置いてくれたんだ…」


 「さて、ステータスオープン!」


 名前:リリス(6才)

 種族:吸血姫(魔族)

 体力:100

 魔力:1000

 スキル:言語理解

 種族スキル:血の操作

 称号:堕天使ルシファーの加護

    不幸な転生者

    ?????


 ※定期的に血液または赤い液体を摂取しなければ体調不良になり死に至る

 ※詳細なステータスを見るにはスキルが必要


 「あらら…やっぱり名前リリスになっちゃたんだね」

 「種族は…魔族の吸血姫?吸血姫ってなぁに?」コテン

 「今はいいや…次。体力と…魔力たかぁ~」

 「スキルは言語理解っと…うん。この世界の本読めてるもんね」

 「あとは、種族スキルって私だけのスキルで合ってる?でも、血の操作って…血…血かぁあまり見たくないかも」

 「最後に称号っと…え?堕天使ルシファーの加護!?いや、それより「不幸な転生者」ってなによぉぉぉもぅ」


 自分のステータスを確認しているうちに目がこの部屋の暗さに慣れたようだ。

次のページからは、この世界の人族と魔族の関係など書かれていた。

 どうやら、この世界の人族はとにかく欲にまみれた者が多いらしく、魔族は人族から攻められた時に応戦するぐらいで、欲にまみれた者が多いため放置していても最後には自滅しちゃうみたい。だが、あまり人族との関係を深めない方がいいらしい。


 「もぅなんて世界にきちゃったのよ…こわぁ。早く夢ちゃん見つけて安全な家見つけないと」


 最後のページに当面の間の必要物資を入れた箱を用意しておいたと書いてあり、

血液も用意しておいたから隠し部屋を見つけろ!とまで書いてあった。


 「あっこれかな?なんかいっぱい入ってる…わぁリンゴだぁ」ワーイ


 手に取った本を読み終わり、他にも何かないか部屋の中を物色すると本棚を見つけた。


 「わぁこれこの世界のアイテム図鑑?こっちの本は…なんだろ?理科の時間でこんなの見たような」


 本棚から手に取ったのはアイテム図鑑と錬金術の本だった。

ふと、1冊だけすごい気になる本を見つけるとそっと触ってみる。ガコッ!と音がして本棚が横にスライドし始めた。


 「おぉ~隠し部屋見つけちゃった。ルシファー様の本の通りだと血液だよね…」


 隠し部屋に入ってみると…そこにはベッドに寝かされた白骨化したミイラがあった!


 「きゃあぁぁぁぁぁ」


 白骨化したミイラに驚き尻もちをつくリリス…

よく見ると隠し部屋の壁一面は血でべっとり、座り込んでしまった床にも血溜まりが…。


 「ま、まさか…これが用意された血液?」

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