第15話 カーラ、無事帰還

 カーラたちの実家に泊めてもらった2人。


 「おはよ」

 「おはよ~」


 目が覚め、ポーチからいつもの服を取り出し着替える。顔を洗い、居間まで向かう2人。パンとスープの朝ご飯を食べながら今日の予定を決めようと…


 「今日はどうしよっか?」

 「昨日、登録しかしてないしギルド行こっか」

 「話してないで、早く食べてくれないかしら?」

 「はい」

 「旦那はもう仕事に出てるし、私もこれから仕事なのよ。あの子らの収入も少ないしこの家は2人食べてくだけであまり裕福ではないのよ…」

 「…ごめんなさい」

 「あの…大通りまでどう行けばいいの?」

 「大通り?あぁ、突き当たりを右に曲がって次の角曲がれば出れるよ」


 どうやら、あまり裕福ではなく夫婦ともに仕事に出ているようなので迷惑になる前に、ギルドへ向かおうとさっさと朝ご飯を食べて出掛ける準備をする。


 「いきなり来て泊めてもらい、ありがとうございました」


 準備をすませ、お世話になったのでちゃんとお礼をして出掛けようとした時…

「ちょい待ち!何か忘れてないかい?」と、手を出している。


 リリスはわからず、え?と思っていると…

 「あんた私の娘からお金もらったんでしょ?あんたにあげなければ、それは私たち夫婦のとこにくるお金だったのよ?」


 お金を求められてしまった…。リリスはお金が入った革袋を取りだそうとする…


 「はやく!だしな」


 お世話にはなったし…ここで出さないと怒られそうだなと思い革袋を渡す。


 「たったこれだけかい、しけてるね~」


 お金を数えながら…リリスたちに視線を向けてくる。


 「いつまでそこに突っ立ってるんだい。早く出ていっておくれ」


 追い出された2人。ローラにもらったお金を革袋ごと渡したことで無一文になってしまった2人…これからどうしよ?と思いながら大通りへ向かう。

 無事、大通りに出ることができギルドへ向かっていくと…前方からフラフラと疲れきったカーラの姿が見えた。リリスたちはカーラと合流し、あれからの事を話し始めた。


 「あれからすぐ教会出て、無事にこの町についたよ。門兵のアダンさんに盗賊のこと知らせて一緒にギルマスに報告しといたよ」

 「そっか、無事につけてよかったよ」

 「あとね~ギルドへ登録もして、昨日はローラさんに言われた通り、カーラさんちの実家でお泊まりさせてもらったの」

 「え?うちに?大丈夫だった?何か取られなかった?」

 「あ…ローラさんからもらったお金袋ごと渡しちゃった」

 「あちゃ、ごめんね」

 「うん…大丈夫」


 どうやら、カーラさんたちの母親は昔からお金にうるさい人だったらしく、それを知っていたカーラさんはリリスたちに謝ってきた。宿泊代と思うことにしたリリスはカーラと一緒に冒険者ギルドへ向かう。

 冒険者ギルドに着き、受付でギルマスを呼んでもらうとギルド内個室へ案内された。


 「森まで盗賊5人を惹きつけて、雑魚盗賊はそこまでだったけど…中心人物の盗賊がやたら強くてスキを見せたら斬られ、起きたらリリスたちの教会で寝てた」

 「そうか…ローラはどうした?」

 「起きたらいなかった…町に応援呼びに行ったのかと私も戻ってきたところ」

 「その盗賊、左目に眼帯してなかったか?」

 「…してた」

 「おまえよく生きてたな~あいつ元B級冒険者だぞ。その傷治したのローラだろ感謝しろよ」

 「…ローラ」

 「事情はわかった。捜索隊を募るから人が集まるまで体やすめとけ」


 カーラたちの話を黙って聞いていた2人。カーラさんは斬られローラさんは行方不明…あの後そんなことになっていたなんて…。

 元B級の強さがわからなかったので聞いてみた。冒険者に登録するとS~Fに分けられ登録時はFスタートみたい。依頼を受けてランクを上げていくけど、高いランクになると必然的に戦闘になるとのこと。カーラさんたちはDランクでした。

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