第176話 エレナもお手伝い
7つの属性石のお陰でリリスたちはかなりの戦力アップする事ができた。エレナの母親のお墓を作ったリリスとリンもベッドに入るとすぐに寝てしまっていた。数時間が過ぎやがて朝になると…1人また1人とリリスたちが起き始める。
「ん、ふゎぁ~もう朝か…」
「みんなは…まだ寝てるね」キョロキョロ
「う〜ん…ふわ〜」
「おはよ。リン」
「うん。おはよ〜お姉ちゃん」
「今日もやる事いっぱいだね…服屋さんに防具屋さんに冒険者ギルドでしょ」
「うん。そこに新しい魔法の確認と、リサちゃんとエレナちゃんには魔法の使い方も教えてあげないとだね~」
「だね〜。ギルドが一番時間かかるだろうし…すぐにでも魔法の確認したいとこだけど…」
「うん。まだみんなぐっすりだね〜」
「ね〜。みんな可愛い寝顔♪」
「ん?ふわぁ〜…おはよ〜」
「おはよ。ティム」
「おはよ〜。ティムちゃん」
「何してたの?お姉ちゃん」
「ん?ううん。みんな可愛い寝顔だな〜って見てたんだよ」
「へぇ~」
羽がはえようとしてる4人はまったく起きる気配が無く、エレナもまだぐっすりと寝ているため…久しぶりに3人だけの時間を楽しむ事にした。
「3人だけの時間って何だか久しぶりだね〜」
「そうだね。ティムちゃん起きるの遅い事が多いからね」
「えへへ…」
「ティムはいっぱい動く戦闘スタイルだから疲れてるんだよ。いっぱい寝ていいからね~?」
「うん!」
「何か飲み物でも入れようか?お姉ちゃん」
「そうだね。牛乳は残り少ないから、お水いいかな?」
「うん。ティムちゃんもいる?」
「うん」
「は〜い。待っててね〜」
「ねぇ?お姉ちゃん」
「ん?どうしたの?ティム」
「ギューしていい?」
「いいよ。リサとエレナが来て甘えにくくなってたんでしょ?」
「…うん。アリアちゃんとエレナちゃんは、私より小さいから…私が我慢しないとって」
「そうだね。ティムもお姉ちゃんだからね〜」
「うん」
「えらいよティム。おいで?今ならお姉ちゃん一人占めできるよ?」
「うん!お姉ちゃ〜ん」ギュー
「お待たせ。はい、お水どうぞ?」
「ありがとう。リン」
「リンちゃんありがと」
我慢していたのかベッタリとリリスに甘えるティム。嬉しそうにティムを甘やかすリリス。そんな2人の姿をそっと見守るリン。のんびりとした時間がゆっくり過ぎていく…。
「お姉ちゃ〜ん」スリスリ
「ティムったら〜こそばいよ〜。そんな子には…えいっ」ギュー
「ふふっ♪お姉ちゃん嬉しそう…」
「私も〜えいっ」ギュー
リリスとティムの楽しそうな声が響いていると…声を聞いたエレナが起きてきたが、どこか不安そうだった。
「きゃはは…」
「もぅ〜ティムったら〜」
「んっ…ふぇ?お姉ちゃん?何処?」
「あっ!お姉ちゃん、お姉ちゃん!エレナちゃん起きたよ?」
「ふぇ…お姉ちゃんどこ?」グスン
「エレナ!ここだよ〜?お姉ちゃんここにいるよ〜?」
「え?お姉ちゃん?」キョロキョロ
「こっちこっち〜」
「あっ!お姉ちゃ〜ん」タタタッ
「おはよ。どうしたの?怖い夢でも見た?」
「…うん」ギュー
「そっかぁ…大丈夫だからね?エレナを1人ぼっちになんかさせないからね〜」
「うん…お姉ちゃん」ギュー
「よしよし…」ナデナデ
「昨日怖い目にあってるから、夢に出ちゃったんだね〜」
「だろうね…。もう思い出さないように楽しくしてあげないとね?」
「そうだね〜」
「はい?エレナちゃんもお水どうぞ?」
「ありがと〜。…リンお姉ちゃん?」
「うんうん。そうだよ。リンだよ〜」
「エレナ落ち着いた?」
「うん!」
「じゃあ、お姉ちゃんと一緒に朝ご飯作ろうね〜?」
「は〜い」
怖い夢を見て不安になっていたエレナに少しでも楽しい思いをさせようと、リリスはエレナと一緒に朝ご飯を作ろうと考えた。
「何、作ろうかな〜?」
「今日、ナーレの町行くから食材は気にしなくて良さそうだね」
「そうだね。エレナは甘い卵食べた事ある?」
「ううん。ないよ」
「そっか〜。アリアも大好きだし…甘い卵食べてみる?」
「うん!」
「うん。じゃあ、あっちに台所あるから行こっか?」
「は〜い」
「私も行くよ?お姉ちゃん」
「うん。ティムはどうする?」
「みんなまだ寝てるし…こっちでみんな見とくよ」
「わかった。ありがとねティム」
「うん!」
まだ寝ている子たちはティムに任せて、リリスとエレナとリンは一緒に台所へと向かった。
「お姉ちゃん、何作るの?」
「今日は町までいっぱい歩くからしっかり食べて欲しくて、前に作ったお芋と卵の炒め物作ろうかな?ってね」
「そっか。じゃあ…お皿とスプーン1つとフォークだね。あっ…あとボウルか」
「うん。まずお芋を茹でる準備しないとね…。お鍋にお水入れて…」
「火はどうするの?マリーちゃんまだ寝てるよ?」
「うん。見ててね?魔力少なくして…《ファイヤーボール》」ボッ
「わぁ〜!お姉ちゃんの魔法?」
「そうだよエレナ。昨日みんなと覚えた魔法だよ~」
「へぇ~」
「そっか…。魔力少なくしてファイヤーボールしたんだね?」
「そうそう。ここにお鍋置いて…っと。後は放っといていいから、お芋と卵の準備しようね」
「は〜い」
「うん」
前回ファイヤーウォールで試してまだ火が強かったのを覚えていたリリスは、ウォールより小さいボールなら…と魔力を少なめにファイヤーボールを使っていた。ポーチからお芋と卵を取り出し…エレナが出来そうな事を探していく。
「じゃあエレナ?このお芋をあの水瓶で洗ってくれる?」
「うん!」
「そうそう。キレイキレイにしてね〜」
「うん」
「ありがと。次にこのお芋切るんだけど、固いから見ててね?」
「は〜い」
「これぐらいかな〜?」トントン
「お姉ちゃん、お湯になってるよ?」
「ありがと。リン」
「切れたお芋をお鍋の中に入れてくよ?やってみる?」
「うん!」
「お湯が跳ねるから、そ~っと入れてね?」
「うん…そ~っと」ポチャ
「入れられたらこっちだよ?次は卵ね」
「は〜い」
「このボウルに卵を入れるんだけど、やってみるから見ててね?」
「うん」
「テーブルの角にコンコンっと、ボウルの上でカパッと…」
「わぁ〜」
「はい?エレナ。やってみようか?」
「うん!」
「卵は割れやすいから、優しく持ってね〜」
「優しく…」
「うん。優しくコンコン…」
「コンコン…」
「卵にヒビ入ったでしょ?このままボウルの上でカパッと…」
「ボウルの上で…」
「ヒビに指入れるとやりやすくなるよ?」
「ここに指入れるの?」
「そうそう。穴あけちゃっていいよ?」
「うん。穴あいたよ?」
「ゆっくり左右に引っ張ってごらん?ゆっくりね〜」
「うん。ゆっくり、ゆっくり…」ポトッ
「出来たね?じゃあもう1つ割ってくれる?」
「うん!」
エレナにもわかりやすいように何回も教えるリリス。何をきっかけにエレナがお料理という作業を気に入るかわからないため、エレナが出来そうな事はなるべくやらせてみようと思ったリリスだった…。
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