第5話 出会い

「ぎゃあぁぁぁーーー!!」


異世界から来た。オカマ

オカマことマカオの指示通り、テレビを抜けたら異世界の地へ転送され学園生活を送れる筈が・・・


―――何故か!?上空にいた


「し、し・・・死ぬーーー!!」

く、雲が真横にある!

この高さから地上へ落下したら100%助からない


マカオの野郎!!何が転送だっ!!

この高さから落ちたら一発で転生じゃないか!?


「あぁああーーー!!ど、ど、どうししたら~!!」

折角、異能力を手に入れ、異世界でのムフフな学園生活を・・・


―――そうだ!!


忘れるところだった


異能力!!


何を諦めようとしてたんだ!?

諦めるには、まだ早い!!

俺には、異能力があるじゃないか!!


「フゥーーー!」

そっと眼を閉じ、呼吸を整え、全神経を集中させる

「・・・・・・ラッキースケベ!発動!!」

眼を見開き、右手を前へ突き出し、自己流のポーズを取る



・・・・・・



「ダメだ~!!やっぱり、何も起こらない!!」

そりゃあ、そうだよな

異能力の使い方なんてわかんないし

ラッキースケベも自分の意思とは、関係なく発動するモノだと思うし、それになにより、上空にいるから誰かに頼るのは、不可能だから


「・・・あ・・・あ・・・もう~ダメだ~!!」

じ、地面が・・・どんどん、どんどん近付いてくる!


「―――ぎゃぁ!!」

「―――うげっ!?」



・・・・・・!?



「・・・・・・あれ?・・・・・・い、生きてる!!」

・・・やった!

・・・やったぞ!!

あんな上空から落ちて来たのに、無事生還できたなんて!?

・・・一体 何故?


「―――うおっ!?」

その謎は、直ぐに解けた

今、俺の真下に下敷きになった人がいる。この人が転落の衝撃をクッション代わりになってくれたお陰で俺は、助かったのか・・・



―――むにゅ!!



・・・・・・ん?

・・・や、柔らかい

な、なんなんだ?この感触は・・・



―――むにゅむにゅ



もう一度確認の為に触るが・・・

ま、間違いない!!

いや、実際には、触ったことは、ないから断定は、できないが・・・

・・・これは


―――おっぱいだ!!


ニヤ・・・上空で・・・ニヤニヤ・・・異能力ラッキースケベが発動したのかは・・・ニヤニヤ・・・不明だが・・・ニヤ・・・どうやら、ラッキースケベの力は、本物のようだ!

自然と頬が緩み 顔がにやけてしまう


俺は、いつもこういったシーンを見るたびに疑問に思う

マンガやアニメなどの主人公は、美少女、相手にちょっとエッチな体験ができているのに・・・


何故!?本能の赴くままに行動しないのだ!!

思春期、真っ只中の一番多感な時期である高校生が!?

このシチュエーションを我慢できるだろうか?理性を失わずいられるだろうか?


―――その答えは

「・・・では、失礼しまーす」



むにゅむにゅむにゅむにゅ・・・



耐えられませんでした



ここは、異世界

恐らくこの世界には、法や規律、秩序などは、あまり整備されては、いない筈だろうから、周りの目など 一切お構い無しに一心不乱に揉みし抱く


・・・い、一生

・・・触っていられる



「―――コ、コホン!」

俺の下敷きになりクッション代わりになってくれている。 命の恩人が咳払いをする。


・・・だが聞こえないフリをして揉み続ける


「・・・あのさ・・・男の尻を触って・・・楽しい?」

「―――どうわぁーーー!!なんだ男かよ!?」

直ぐに手を離し、立ち上がる

「そんなセリフ初めて言われたよ」

ニコッと笑うその顔は、少し幼いせいか、普通に女の子と見間違える顔立ちをしている


「はじめまして!ボクの名前は、アラトモ・・・君がの引野優くん?」

「そ、そうだけど・・・?」

聞き馴染みの言葉に首を傾げる

「あ~転送生っていうのは、異世界へ転送されてきた生徒・・・―――略して転送生てんそうせいだよ!」

引野の疑問に優しい口調で答えてくれる


「・・・なるほど ―――ってそういえば!?か、体、大丈夫!?」

死の恐怖に直面し、少し混乱して普通に会話をしていたが冷静になり事態を把握すれば・・・

今は、アラトモの身体の容態が最優先だ!

上空何千メートルの高さから落下してきた俺の下敷きになったのだから・・・


「ううん、平気だよ!・・・ほら・・・ほら・・・」

その場で何度もジャンプして自分は、大丈夫だとアピールを始める

「こっちの世界の人間の方が少し丈夫なのかな?」


・・・あれ?

あの高さから落ちて来た人間の下敷きになって平気だなんて・・・

どこか痛めていても不思議では、ない!

なので念のためにアラトモに怪我がないか触って確認するが傷どころか青あざの一つもない!

その体は、俺より少し背が低いぐらいで普通の体型だ!


「いや~ それにしても感激だな~ こうして異世界の人間と会話することができるだなんて!!」

「・・・・・・?」

・・・何故だろう?

どうしてもその言葉に引っ掛かる


「あっ 実は、今まで何度か異世界から転送生を転送させようとしたんだけど・・・何故だか、いつも校門の前で大ケガをして倒れてたんだよ」

「当たり前だろ!!」

異世界の上空へ転送されるなんて聞いてないんだから

「それで誰も学園には、通えなくて・・・なので引野くん!君が転送生栄えある第一号(仮)だよ!!」

「(仮)を付けるな!!」

あのオカマ野郎!!

転落事故を防ぐ為に異能力を与えたんじゃないだろうな


「それじゃあ、行こうか」

先導し歩き始めるが・・・

「・・・どこに?この辺り何もないだろ?」

上空からの落下中、周りを見渡したがこの辺り一帯は、山や森に囲まれた自然豊かな場所で、近くに町どころか民家も見当たらない!そんな場所に学校なんてある訳ないだろう


・・・・・・唯一あるのが

―――この目の前にあるお城ぐらいだ!!


「これが学園だよ」

「―――デカっ!!」

お城だと思っていたのが学園だったなんて!?

「ほら、ここに書いてあるでしょ」

強固な門に埋め込まれている。銘板を指差す


―――いやいやいやいや

日本語しか読めない俺がこんなミミズが走ったような文字が読める訳・・・


「――――学園」

読めたっ!?


そういえば、ここへ来る前に無理矢理、食べさせられた こんにゃくの効果で魔力を得てたのを忘れてた!?

マカオがコレを食べたら異世界ここでの生活には、困らないって言ってたな・・・


「さてさて・・・・・・何学園って書いてあるんだ?」

再び銘板を覗き込むが・・・

「ほら、行くよ!職員室まで案内するから」

「お、おう・・・待ってくれ!」

何学園かは、読めなかったが・・・

まー別に学園名なんか、どうでも良いか!?



アラトモに案内されながら校舎へと入って行く



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