第106話 ギネス記録

「・・・決着、着けようぜ!!」

いつもの幼児化した姿に戻ったコドナ先生が指をパキパキと鳴らしながら待ち構えている


「どうして、居場所ここがわかった?」

コドナ先生の追跡を警戒して逃走していたのに、あっさりと追い付かれたことにエソラが動転する


「それは、な・・・」

「オギャー!オギャー!!オギャー!!!」



―――遡ること数分前―――


「・・・って言うのが俺の異能力!ラッキースケベの全容だ!!」


「「「・・・・・・なっ!!!」」」

引野の説明を聞いたエトム達が驚きの表情を見せる


俺の異能力ラッキースケベについて嘘偽りなく、全て正直に話したぞ!!


「・・・え?・・・ど、どうしてそんな異能力を!?」

「せやな!ヨミの言う通りやわ!!どんな異能力でも選びたい放題やったのに・・・」

「新しい世界で頂点に・・・!この異世界せかいを征服できるチャンスだったのに・・・そんな非暴力的な異能力を選択した意味がわからない!!」

引野の意図を全く理解できない様子の3人


「そんなの理由は、1つ!ドタバタラブコメみたいなを送りたかったからだ!!」


この回答が異世界ここに来た理由でラッキースケベを選んだのは、その為だ!!


「「「―――男子校って聞いてたのに!!?」」」

エトム達がドン引きした リアクションを見せる


「・・・ち、違う!あれは、オカマのマカオがちゃんと説明しなかったから・・・!!」


これじゃまるで、俺が男の体目当てで異世界に来たみたいじゃないか!?


「―――そんな事は、どうでもいい!!」

マッソが割って入ってくる

「引野の異能力は、理解したが・・・―――だが、何故!再びお前を空へ放り投げなければいけないんだ?理由を話せ!!」


「・・・フフフ・・・そんなの決まってるだろ?風族嬢のおっぱいを揉みし抱く為だよ!!」


「「「・・・・・・」」」

女性陣から冷たい視線を浴びせられる


「貴様は、大バカ者か!?そのどこにいるのかわからない奴の胸をどうやって・・・」

「―――俺の異能力ラッキースケベで!!」

格好つけながらマッソへ言い放つ


「風族嬢がどこへ行こうがどこへ隠れようが問題ない!俺の異能力は、ラッキースケベだ!!感知不可!回避不能の接触事故!!マッソが力の限り、投げ飛ばした先に風族嬢が必ずいる!!」


・・・だが

幾度のラブコメ主人公がラッキースケベを成功させていったとは、いえ!


こんな超遠距離型ラッキースケベは、人類初だろう!!


前例は、聞いたことないが・・・


ヒマワリを助けたいという気持ち!おっぱいを揉みたいという下心気持ち!!


その2つを強く想えば、絶対にいける!!


「・・・で、話しは、済んだか?」

コドナ先生が話し掛ける

「それなら俺も一緒に同行する!それでも異能力で遠く離れたエソラの所までラッキースケベで行けるんだよな!?」

「それは、大丈夫だと、思うけど・・・―――マッソが2人同時に投げ飛ばせれるかどうか!?」


本音を言えば、コドナ先生には、何がなんでも付いて来てほしいけど・・・


―――流石に2人同時は、重量オーバーじゃないか!?


「―――が無理なら、にすれば問題ねーだろ!!」

「・・・?」

コドナ先生が引野の肩にそっと手を添える


「―――異能力幼児化発動っ!!」

「―――うわっぁぁぁーー!!・・・ち、縮む!縮んでいくーー!!」

コドナ先生の異能力を発動させられた引野の身体は、急激に若返り始め、赤ん坊の姿まで若返らされる


「オギャー!オギャー!!オギャー!!!」


「・・・よしっ!マッソ、これなら重量も1人分でいけるだろ?投げられる時は、俺も子供ガキの姿まで若返るし・・・!!」

「・・・問題ない!!」

引野の肩に掴まったコドナ先生をマッソが片手で鷲掴みにして投げ飛ばす準備を整える


「引野!コドナ先生!!・・・風族嬢を!!・・・ヒマワリの記憶を頼みます!!」

エトム達が2人を見守る為に駆け寄って来る


「当たり前だ!!―――マッソ、投げろ!!」

「オギャー!オギャー!!」

「引野、コドナ先生!!・・・―――うおぉぉぉりゃぁぁぁーー!!」

幼い子供の泣き声と共に2人は、地平線の遥か遠くへと投げ飛ばされる



「・・・ってな訳で、もう一度テメーに会えたんだよ!!」

説明を終えたコドナ先生が引野に掛けた異能力幼児化を解除させ元の姿へと戻す


「オギャー!オギャー・・・―――死ぬかと思ったーー!!」


空中でビート板代わりにされる恐怖!

絵面は、100%幼児虐待だからな!!


「・・・ちっ!何時まで触ってんだ!!―――ボケっ!!」

エソラの胸の間で元通りに戻った引野に苛立ち、蹴り飛ばす


「―――痛ぁぁーーい!!」

「動くな!刺し殺すぞ!!」

エソラが隠し持っていたナイフを突き立て、倒れ込んだ引野を脅し、人質に取ろうとする


・・・ナ、ナイフ!

コイツ、武器を持ってただなんて!?


・・・ダ、ダメだ!


―――刺される!!


「させねーよ!―――ほれっ!!」

いつもの幼児体型の姿のコドナ先生が胸に手を当て、幼児化の異能力を一部解除させ、胸だけ元のサイズに戻り、爆乳幼女の姿になる


「・・・気でも狂ったか?何、訳わかんねーことしてんだ!?」

突然、アンバランスな体型になったコドナ先生にエソラが目を奪われる


「コドナは、無視して・・・死なない程度に刺し殺してや・・・―――なっ!?」

「―――うぎゃぁぁぁーーー!!」

エソラに刺される寸前に引野が人間離れした動きをみせて、コドナ先生の胸へと吸い込まれていく


―――ボイ~~ン!!



・・・や、柔らかい!

至極の心地よさだ!!


「・・・な、何て動きを!?」

「これでテメー1人に専念できるな!!―――って、いい加減に離れろ!!」

胸に張り付いて離れない引野を無理矢理、引き剥がし、再び胸に異能力幼児化を発動させ、元の姿へと戻る


「あぁぁ~!俺の爆乳オアシスがぁぁ~!!」

血の涙と鼻血を垂らしながら萎んでいく胸を見ながら嘆く


「エソラ!一対一タイマンだ!!終わらせようぜ?」

コドナ先生が戦闘体勢へと入る


「・・・・・・コドナ!最後に1つ・・・風族嬢に・・・」

「―――覚悟は、良いな!!」

エソラの言葉に聞く耳もないコドナ先生が睨み付ける


「・・・交渉決裂か!なら肉弾戦だ!!かかって来い、刺し殺してやるよ!!」

「―――引野!」

コドナ先生が殺気全開のエソラへ背を向け、話し始める


「ここへ来るのは、簡単に来れたけど・・・帰る時って何か考えてんのか?俺、道覚えてないぞ!!」

「―――いきなりなんですか?コドナ先生!?」


・・・な、何で?

突然、そんなこと聞いてくんだよ!?


今は、風族嬢との戦闘に集中してくれよ!!


「よそ見とは、余裕だな?コドナ・・・」

「―――テメーに言われたくねーよ!にすら気付いてないクセに・・・!!」


「・・・勝敗?何言ってんだ・・・―――っ!!・・・と言いたいところだが!腹に凄まじい衝撃を感じ始めた!!」

エソラがお腹を押さえて踞る


「―――オロロローーー!!!」

エソラが特技で呑み込んでいた風族嬢を全て吐き出し、意識を失い倒れる


「えーー!!・・・な、何をしたんですか!?」


・・・一体、何が起きたのか、全くわからなかった!!


「ただ殴っただけだ!・・・で、どうやって戻る?」

「・・・は、はは、はっはは・・・!!」


・・・やっぱり強いな!

コドナ先生は!!


これでヒマワリの記憶も戻る筈だ!!

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