第102話 A・RA・SHI
「「「―――えぇぇぇーーー!!!」」」
引野の発言にエトム達が驚きの声を上げる
「・・・あ、あの暴風雨の中に引野1人で飛び込むんですか!?」
「それは、アカンって!無理や!!危な過ぎる!!」
「・・・・・・勇気と無謀は、違うよ!!」
暴風雨の中を経験したエトムとトキド・ケーが引き止める
・・・そうだよな!
それが普通の反応だよな・・・
あんな凄まじい威力の暴風雨の中に戦闘能力も何もない俺なんかが助けに行くって言ってんだから!!
「・・・大丈夫!俺には、異能力がある。俺を信じて任せてくれないか?」
「「で、でも・・・」」
エトムとトキド・ケーが顔を見合わせる
「マッソ!俺を
「・・・正気か!?その貧弱な身体で
マッソが脅しでは、なく、親切心で警告する。
「・・・頼む!ヒマワリを助けたいんだ!!」
マッソへ真剣に頼み込む
「引野!ホンマに行く気やねんな・・・!!―――ほな、コレを!!」
「・・・・・・何これ、お守り?」
引野の覚悟に負けたエトムが巾着のような包みを手渡す
「ウチの宝物や!引野に預けとくから大事にせーよ!!」
「・・・え?・・・なら良いよ!受け取れねーよ!!」
直ぐ様エトムへ突き返す
「だ・か・ら!コレは、ウチが大切にしてる物やから無くさんように持っとけ!!―――ほんで必ず返しに来い!!」
・・・・・・?
「・・・フフ!・・・―――なら、私もコレを!!」
「・・・・・・ん?」
トキド・ケーさんが引野へ封筒を手渡す
「・・・親の形見!」
「いやいやいやいや・・・!!そんなの受け取れませんよ!!」
慌ててトキド・ケーへ突き返す
「―――あげるとは、言ってない!!」
もう~何なんですか!?
トキド・ケーさんまで!!
「え~と・・・わ、私も・・・う~んと・・・え~と・・・あっ!コレ!!コレを持ってて下さい!!」
「―――って、ヨミ!これは、校外で食べた性別を変化させる禁断の果実じゃねーか!!何で持ってんだよ!!」
全裸のヨミのどこに隠し持ってたのかは、不明だが・・・
―――いらない!危険過ぎるっ!!
「―――あげるとは、言ってませんよ!」
「持って行くって言ってねーだろ!!」
「なら、他のにしますか?種さえ有れば、いくらでも再生できるので・・・」
・・・コイツらと喋っていると、さっきまであった!
暴風雨へ入る恐怖や不安が・・・
この
「―――ったく!しょうがねーな!!こんなに沢山の
「・・・覚悟は、良いか?行くぞ!」
「おう!ヒマワリを助けたら一緒に降りて来るんでマッソ、エトム、トキド・ケーさん達でフォローお願いします!!」
「「「―――了解っ!!!」」」
「そしてヨミ!俺に、もし万が一の事があったら・・・」
「―――安心して下さい!みなまで言わなくてもわかってます!!」
・・・ヨミ!
そうだよな!付き合いも長いもんな・・・
「ちゃんと念仏は、唱えますから!!」
「―――あっ!コイツ、全然わかってない!!」
「引野ぉぉぉーー!行って来ぉぉぉーーい!!」
「死んでしまったらちゃんと
話の途中だったがマッソに思いっ切り投げ飛ばされて暴風雨の中へと突入する
「・・・引野、ヒマワリを連れて帰って来いよ!!」
エトム達が空を見上げて見守る
「―――うわぁぁぁーーー!!・・・な、なんて・・・雨と風だ!!」
暴風雨の中は、激しい雨風によって、目もまともに開けられないし、風の音で何も聞こえない状況で自分が今、上に進んでいるのか下へ進んでいるのかもわからない状態にいる。
「・・・ヒ、ヒマワリーーー!!どこだーー!!」
・・・ダメだ!
見当たらない!!
エトムやトキド・ケーさんがヒマワリに会えなかったのが良くわかる!!
・・・だけど
こんな状況でも俺なら見つけられる!
目を瞑っていようが相手に拒絶されようが・・・
―――問題ない!!
俺の異能力は、ラッキースケベ!
回避不能の接触事故!!
手を伸ばせば、掴みたいモノも掴める筈だ!!
「―――ヒマワリーーー!!」
暴風雨の中、全体に響き渡るように大声で叫ぶ
―――むにゅ!!
「・・・ん?・・・や、柔らかい!」
―――むにゅ!むにゅ!!
「この感触、間違いない!ヒマワリのおっぱ・・・」
「―――いやぁぁぁーーー!!どこ触ってんのよ!!」
胸を触られたヒマワリが悲鳴を上げて、引野をビンタする
「―――痛ぁぁーーい!!」
・・・やった!やったぞ!!
ちゃんと出会えたぞ!!
これで雨を止まして、風族嬢達を倒すことが出来るぞ!!
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