第90話 第2ステージ

「さ~第2ステージの始まりといこうか!!」


「「「―――ギャハハハーーー!!!」」」

エソラ達が大笑いする


「カサ様に手も足も出なかった。男共雑魚に何ができるの?」

バカは、死ななきゃ治らないいい!!」

「全くだ!ボロ負けして1日も経ってないのに・・・せめて私にみんな油断するなぐらい言わせて欲しい・・・!!」

マッソとドッポの乱入を全く意に介さない様子の風族嬢達


「そうしてバカ面してられんのも今の内だー!!」

「待って、ドッポーー!!」

「お前は、そこの大蛇イモムシの相手でもしてろ!!」

マッソの制止を無視したドッポが風族嬢に向かって一直線に走り出す


「抜け駆けしおって・・・―――んっ?」

マッソの身体に大蛇が巻き付いてくる


「いいぞ!そのままミンチにしてしまえ!!」

エソラの言葉に従い、大蛇が力強く締め上げる


「・・・・・・オイ!」

大蛇に巻き付かれ完全に埋もれたマッソが声を上げる


「お前は、ハグで人を殺せると思うのか?」

「フッ・・・圧殺できなくても体液から出る猛毒で骨まで溶けなっ!!」

マッソを締め上げる大蛇の皮膚から大量の液体が溢れ出る


「・・・・・・?」

大蛇の異変に気付いたエソラが目を細める


「・・・・・・―――フンっ!!」

締め上げている大蛇をまるでロープを引き千切るかのようにして脱出する


「―――なっ!?・・・お、お前!毒が効かないのか!?」

「そんな人間がいる訳ないだろ?単純にヘビの毒が貧弱なだけだ!!」


マッソの特技は、筋トレ!

その筋トレで得た筋肉よりも劣る攻撃やダメージは、全て無力化される!!


「チッ!脳筋ゴリラが・・・!!」

エソラが指を口へ突っ込もうとする


―――バチンっ!!


「―――うげぇぇーー!!」

「させないよ!もう、その芸は、見飽きた!!」

指を突っ込もうとしたエソラの口の中へマジナがビスケットを出現させ、人間ポンプを阻止する


「動作がバレバレですよ!」

「バレバレなのは、お前だ!―――その指!もう限界なんだろ?」

マジナの表情は、冷静を装おうっては、いるが両指は、真っ赤になり酷く腫れ上がっている


風族嬢わたしらにとって厄介なのは、お前だけだ!お前が消えれば風族嬢わたしらの計画も容易い!!・・・我慢比べだ!手品野郎!!」

再び指を口へ突っ込み、特技の人間ポンプを行おうとする


「望むところだ!―――バチンっ!!」

エソラが指を口へ突っ込もうとする度にマジナが指を鳴らし、口の中へビスケットを出現させ、人間ポンプを阻止するのをお互い何度も繰り返す


「マッソ、行きな!!」

黙って頷き、ドッポの後を追い掛ける


「ネ、ネネ、ネチュー!カサ様にボロ負けした男が追い掛けて来るよ~!」

「問題ない!これだけ離れた距離なら何も出来ね~よ!!」

ネチューとビゾンが追って来るドッポを嘲笑う


「・・・空手に遠距離技がないと思うなよ!!」

一度、立ち止まり精神統一を始め、空手の型に入り、正拳突きを繰り出す


「・・・―――い、痛でぇ!!」

空気を切り裂く音と共に後頭部に衝撃を受けたビゾンが倒れ込む


「ビゾン!・・・な、何だ!?飛び道具を使ったのか?」


「何も持たずに戦うのが空手家だ!鍛え抜かれた肉体から放たれる技は、凶器と化す!!」


「「・・・・・・」」

ネチューとビゾンが顔を見合わせる


「ネ、ネネ、ネチュー!アイツ何言ってんの?」

「意味不明~!ギャルでもわかるように言いやがれ!!」


「飛ぶ拳圧を見たことがあるか?」

再び正拳突きを打ち放つと空気を切り裂く音が何mも先で首を傾げている2人に向かって飛んでいく


「・・・あ、危ない!ネチュー!!―――ぐふっ!!」

「―――ビゾン!!」

ネチューを突き飛ばしたビゾンのお腹に風穴が空く


「だ、大丈夫?アイツ何しやがった!?」

「わ、わからないけど・・・多分、空気を弾丸のように飛ばして・・・」


「連続でいくぞ!―――オラ!オラオラオラ・・・!!」

ネチューらに向けて正拳突きを何度も打ち放ち、空気を弾丸にして飛ばしていく


「ネチュー!危険!危険!!」

「・・・クソ!ギャルを舐めやがって・・・!!」

ビゾンがネチューの手を取りながら回避する


「躱すのに必死になり俺から目を離したな!」

回避する方向へ先回りしたドッポが待ち構える


「殴れるもんなら殴ってみろ~!!―――異能力発動っ!!」

ネチューがハリネズミ化の異能力を発動させ、全身から鋭く尖った針を大量に放出する


「ギャハハハーーー!!ざまーみろ!バカバカ!バ~カ~!!殴ったらどうな・・・―――ぐはっ!!」

ネチューのハリネズミ化の異能力を無視したドッポが一切の躊躇もなしにネチューの顔面を殴り付ける


「・・・言ったろ?全身凶器だって!針ぐらいなんともないぜ!!」

平気な様子で話すドッポの拳から血が滴れ落ちる


「ネ、ネネ、ネチュー!よくもネチューを!!許さないぞ・・・―――ぐへっ!!」


「・・・これで2人目!」

怒り狂ったビゾンの脳天にマッソが渾身の力で殴り倒す


「・・・オイ!マッソ、腕っ!!」

ドッポが驚きの声を上げる


「―――異能力発動!!」

マッソに殴られた腕をビゾンが掴み、ゾンビ化の異能力を発動させ、右腕を腐敗させていく


「俺の筋肉を持ってしても・・・この腐敗は、止められないか・・・」

マッソの特技筋トレを以てしてもビゾンの異能力ゾンビ化を止めることが出来ない


「―――ならば!異能力者本体を殺せば解除できるだろ!!」

「不死の私を殺すだなんて面白~い!!一緒にゾンビになろうよ~!!」


「―――フンっ!フン!フンっ!!」

「ギャハハハーー!!痛い痛い痛~い!!」

掴んでいたビゾンの手を力の限り無理やり引き剥がし、何度も殴り付けるが痛覚がないのかずっと笑顔で平気な顔を見せる


「マッソ、もう止めろ!諦めろ!!あの風族嬢の手を振り解いてもゾンビ化の力が治まらねぇじゃねーか!!」

ドッポの言う通り、両手に発動させられたゾンビ化の異能力ちからが徐々に広がっていき、腕の方まで腐敗が進んでいる


「・・・・・・両手出せ!完全にゾンビになる前に切断してやる!!」

「・・・くっ!」

観念した面持ちで両手をドッポの前へ差し出す


「悪く思うなよ!!・・・―――ん?」

手刀で振り下ろそうとした瞬間にマッソの両腕に突如、風呂敷が被せられる


「これは・・・先生マジナ!何のマネだ?」

「生徒がピンチな時、手を差し伸べるのは、教師の努めでしょ?―――バチンっ!!」

マジナが指を鳴らし、勢い良く風呂敷を捲る


「―――っ!?・・・も、元に戻った!!」

マッソの腕が何事もなかったかのように元の状態に戻る


「・・・・・・指、大丈夫かよ」

マジナの指を見たドッポが声を掛ける


「あっ!これ?・・・もう特技手品は、使えないかな・・・」

マジナが2人を安心させようと笑って答える


「「・・・・・・」」


「そんなゴリラを庇ってバカだな!・・・これで私の特技の勝ちみたいだね!」

エソラが魔力を高めながら勝ち誇ったように微笑む


「これで第2ステージは、終わり!第3ステージの始まりよ!!」

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