第81話 教師だよ!全員集合!!

・・・どうして、こうなった?


「あとは、俺一人で充分だ!お前ら帰って良いぞ!!」

「何を言ってるんですか?コドナ先生ティーチャー!誰の特技ちからで風族嬢を見つけたと思ってるんですか!?」

小雨が降り頻る校門前でコドナ先生とマジナ先生が言い争う


「まーまー お二人共!仲良くいきましょうよ!仲良くね!!」


僕の名前は、ノマール!

この学園でBクラスの教師をしている。


文化祭に風族嬢が乱入し、僕のクラスの生徒達が異能力の攻撃を受けてしまい、生きた屍状態になったので至急校門前に集められたのだが・・・


「「―――風族嬢より先に相手になってやる!!」」


―――僕に何が出来る!


同期の中で一番優秀なマジナと学園一の問題児コドナ先生の2人がいれば大丈夫だろ?大した特技を持っていない僕が駆り出される必要は、ないと思うのに・・・


「・・・今は、身内同士で争っている場合じゃないでしょ!!」

ノマール先生が2人のケンカを止めに入る


「・・・ほら、来ましたよ!!風族嬢です!!」

風族嬢カサが風族嬢達を引き連れてやって来る


あの中に僕の生徒達を襲った奴がいるのか・・・


「先生方、お出迎えご苦労様・・・―――でふっ!!」


「「―――カサ様!!」」

コドナ先生が風族嬢の話しも聞かずにカサの顔を思い切りブン殴る


「―――コドナ先生!?」

ノマール先生が驚きの声を上げる


あの人は、何の躊躇もなく人を殴れて凄いな!!


風族嬢お前ら、口喧嘩しに来たんじゃ・・・―――ねぇーんだよなっ!!」

「―――ギャボッ!!」

ビゾンの後頭部を掴み、そのまま地面へと叩き付ける


「コドナ先生ティーチャー!攻撃するんなら、風族嬢から情報を聞き出してからに・・・」

コドナ先生の行動に呆れ返る


「別にどうでもいいだろ?向かってくる奴は、捩じ伏せれば良いだ・・・」


「―――同意見だ!家畜の戯れ言を聞くほど暇じゃないんだ・・・風族嬢わたしらは、ヒマワリを迎えに来たんだ!!」

コドナ先生に殴り飛ばされたカサが声を上げる


「・・・コドナ先生ティーチャーの一撃を食らっても無傷ですか?」


「今日は、最高の天気だ!無敵の私に勝ち目は、ないぞ!!」


カサの異能力は、雨女あめおんな

雨水を自由自在に操る異能力者!!


「へ~次は、半分ぐらいの力でいくぜ!」

高揚感たっぷりのコドナ先生が笑みを浮かべる


「―――ビゾン!寝てないで反撃しろ!!」


「はぁぁーーい!!カサ様・・・―――まっ!!」

背を向けたコドナ先生の首へ噛み付こうと飛び起きるがビゾンの顎に裏拳が直撃する


「―――ギャハハハーーー!!早い!早い!!回る!回るるる!!」

殴られた勢いでビゾンの首が何周も回り続ける


「・・・な、なんだ!アイツは、化け物か!?」

ノマール先生が何度も目を擦りながら凝視する


「・・・・・・面白い異能力だな」

コドナ先生を襲おうとするが真っ直ぐ走れず蛇行する


「見たか!これが、ビゾンの異能力!不死身の力だ!!」

ギャルの風族嬢ネチューが声を上げる


ビゾンの異能力は、ゾンビ化!

不死不滅の肉体を持つ異能力者!!


「いっけぇぇーー!ビゾン!!そんな殺しちゃえぇぇーー!!」


「誰がガキだって・・・」


・・・マ、マズイ!

その言葉を口にしたら・・・


「うん!!は、死・・・―――あれっ!?」

キレたコドナ先生が目にも止まらぬ速さで拳を振り上げる


「―――首取れたーー!!空、飛んでるるる!!」

禁句を口にしたビゾンの首が胴体から離れ、宙を舞う


「・・・コドナ先生が本気で殴っても死なないのか!?」

力いっぱい殴られても痛みもなければ恐怖もしないとは・・・


―――なんて恐ろしい風族嬢だ!!


「・・・全く、コドナ先生ティーチャーは、異能力者との戦闘を心得てませんね!」

マジナ先生がタメ息混じりでギャルの風族嬢、ネチューへと歩み寄る


「初めまして風族嬢!俺は、この学園で教師をしています。マジナです!よろしく!!」


「・・・・・・?」


「・・・マ、マジナ!一体、何を!?」

「闘う前は、握手からです。」

笑顔のまま、ネチューへ手を差し伸べる


「・・・・・・ギャル舐めんなよ!」

「―――がはっ!!」

マジナ先生の手を取った瞬間にネチューが異能力を発動させて、右手から無数の針が飛び出し、マジナ先生の身体を貫いていく


「―――マジナーー!!」

ノマール先生が大声を上げながらマジナ先生の元へ駆け寄る


「―――ギャハハハーー!!誰が男の手なんか触るかよ!!」

マジナ先生を滅多刺しにしたネチューが大笑いする


ネチューの異能力は、針ネズミ!

身体を針ネズミのように変化させる異能力者!!


「出血が酷い!早く保健室のシャイ先生の所へ」


「そんなことしなくても、お前も直ぐに殺してやるから・・・」



―――バチンっ!!


「・・・これだからマナーのない女は、嫌いなんだ!!」

「―――マジナっ!!?」

マジナ先生が指を鳴らすと何事もなかったかのように立ち上がる


「・・・どうなってる?傷口が塞がって・・・何をした!?」

マジナ先生の姿にネチューが困惑する


「それが解らないのが手品の魅力だろ?」


マジナ先生の特技は、手品!

本当に種も仕掛けも何もない、無から有を産み出す!奇々怪々な特技持とくぎもち!!


「オイ!無事なら無事って早く言えよ!!マジナ!!」

「敵を騙すには、まず味方からって言うでしょ?」


―――言うからってするんじゃねーよ!!


「はぁ?そんなで何言ってんだよ!!じゃねーか!!!」

ネチューがマジナ先生をバカにする


「・・・言いましたね!俺の手品に!!」


・・・マ、マズイ!

その言葉を口にしたら・・・


「今から最大であり最高の手品を御覧に頂こう!!―――コドナ先生ティーチャー!離れて!!」

大声を上げると同時にシルクハットを上空へと投げ、両手で指を鳴らし続ける


「・・・な、なんだ!?このハトの量は!!」

シルクハットの中から大量のハトが飛び出し、上空を高速で旋回する


「・・・これがハト?・・・なんだ!このデカさは!?」

ネチューが驚きの声を上げる


上空で旋回し続けるハトの群れが球体を描き、巨大な塊になる


「目で見て、肌で感じろ!これが―――ハト隕石メテオだ!!」

ハトの群れが風族嬢、目掛けて急降下する

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