第70話 ミスコン
「「「―――ミスコングランプリ!!?」」」
ヒマワリ達が驚きの声を上げる
「そうだ!お前達には、今からステージに出て、この中で誰が一番美しいかを競い合ってもらう!!」
今は、緊急事態だ!
ヒマワリ達に一からミスコンとは、どういうものかを説明する時間も惜しい、やりながら理解してもらおう
「・・・いや、それの何が
引野の案をエトムが否定する
「心配すんな!大丈夫だ!!女装カフェでの、あの集客力を忘れたのか?」
「でも、女装カフェは、豊富なメニューと料理の味で集まっただけじゃないの?」
―――そんな訳ないだろ!
誰が飲食目的で女装カフェなんかに行くんだよ!!
「ヒマワリもエトムも少しは、自分達の
「フッフフフ、確かに・・・今日の引野は、私を見て何度も鼻血を出していましたもんね!」
「・・・・・・ため息の間違いだろ」
「―――何を!!」
ヨミと引野が取っ組み合いのケンカを始める
「も~よっちゃんと引野は、いつもいつも!トキド・ケーさんも黙ってないで何か言って下さいよ!」
「・・・私は、風族嬢を倒すだけだから・・・別に、何でもいい・・・」
トキド・ケーは、自分を殺しにやってくる風族嬢を倒すこと以外興味ない様子
「・・・そ、そうですか・・・トキド・ケーさんが言うならあたし達もそれで・・・」
トキド・ケーが文句も言わず、従っているのでヒマワリ達も引野の案を受け入れる
「はい、じゃあ この服に着替えて準備に取り掛かってくれ!!」
「「「―――えっ!!?」」」
手渡された衣装に驚く
「・・・ちょ、ちょっと引野!ほ、本当に、この衣装を着ないといけないの?」
ヒマワリが頬を赤らめながら言う
「当たり前だ!ミスコンにとって
引野が自信満々に答える
「・・・・・・わ、わかったよ」
渋々納得しヒマワリ達は、衣装の着替えに取り掛かる
―――よーし!これで下準備は、整った!!
次に、校内の人を集める為には・・・
「―――マッソさん!お願いします!!力を貸して下さい!!」
マッソさんへ懇願する
「緊急事態だからやむを得ないが・・・―――何を持ち上げればいい?」
「いえ!そういった物理的な意味では、なく!この原稿用紙に書いてある通りに校内放送を流してもらえませんか?」
マッソに原稿用紙を渡し、深々と頭を下げる
「・・・貴様!わかっているのか?貴様のその行動・判断のミスでCクラスの運命が決まるんだぞ!!―――この通りに校内放送を流して本当に人が集まるなんて・・・」
―――放送終了後―――
「・・・な、何故、あんな放送でこれ程の人が集まるんだ!」
会場には、女装カフェとは、比べ物にならない数の人で溢れて、その集客の凄さを理解できず、マッソが首を傾げ困惑する
「ハァハァ・・・ハァハァ・・・マッソさーん!!校舎、校内、確認しましたが誰一人残っていませんでした!!」
コブンデシが汗だくになりながら駆け寄って来る
「っていうことは!?校内にいる人を全員一ヶ所に集めることに成功・・・!!ということは、約束通り・・・」
「―――無論だ!Cクラスの文化祭の参加を許可しよう!!」
「ありがとうございます!これも全てマッソさんが校内放送でミスコンの宣伝をしてくれたお陰です!!」
この策には、最高の出し物とマッソのカリスマ性がなければ成立しなかっただろう!
後は、このまま風族嬢がやって来るのを迎え撃つだけだ!!
「―――オイ!マッソ!!マズいことになった!!正門にいる
ドッポの報告により事態は、急変する。
「え、えっ?えっ!?そ、それってヤバいんじゃないの?ヤバいんじゃないの!?・・・それってもう、既に
「引野、落ち着け!コブンデシ直ぐに会場中の出入り口を封鎖しろ!!」
「・・・ハ、ハイ!!」
直ぐ様、出入り口へと駆けて行く
「引野!お前は、そのままミスコングランプリを始めろ!!」
「―――えっ!?で、でも・・・」
「心配は、無用だ!トキド・ケー様は、死んでも守る!!」
「・・・い、いや・・・そうじゃなくて・・・相手は、風族嬢!異能力を使って襲って来るんですよ!!」
「非力な女の持つ
心配してんのは、そういう意味じゃねーよ!
腕力では、どうにも出来ない異能力者がいたらどうするんだよ!!
・・・でも
かといって何もしない訳には、いかないし・・・
「・・・わかりました。俺達は、ミスコンを始めますので風族嬢が現れたら、お願いします!!」
不安を胸に引野は、ステージへと向かう
・・・本当に大丈夫だろうか?
この世界の男達は、女を異能力を舐めているから・・・
―――痛い目に合わなきゃいいけど!!
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