第8話 授業

「―――痛い痛い痛い痛い・・・・」

 体育の授業で久しぶりに走ったせいで、全身筋肉痛になってしまった

 ―――クソっ!!

 運動がダメでも勉強ならと思ったのに・・・



 異世界での初の授業

 ノマール先生が黒板の前に立ち、ところ狭しと数式や図面を書いている

 数学の授業のようだ

「では、引野くん!2,463,722,986×9,287,290,540=?」

「解るか!!」

「不正解です」

 座ってくださいと促される

「引野くん・・・引野くん」

 隣の席に座っている。アラトモが小声で話しかけてくる

「・・・どうしたの?10桁の暗算だよ?」

「だからできないんだよ!!」

 電卓でも普通10桁の計算は、できないぞ!

「・・・ふ~ん・・・計算苦手なんだね」

 いや、得意、不得意の問題じゃ、ない気が・・・

「Aクラスの生徒は、凄いよ!100桁の暗算までできるんだよ」

 インテル入ってる!?

「その中でもズバ抜けているのがトキド・ケー」

 ―――出た!!

 100mを4秒44で走る超人

「ま、まさか・・・1000桁の暗算を!?」

「ううん・・・かけ算を考えたんだよ」

「ピタゴラスか!!」



 トキド・ケー

 なんて、すごい奴なんだ!?

 運動もできて、頭も良いなんて

 どうせ、背が高くてスタイルも良く、女の子にモテモテのイケメンなんだろうな


 ・・・あれ?何故だろう

 ・・・イライラする




 次の授業

 またもや、ノマール先生が黒板にところ狭しと年号や事変などを書いていっている

「―――年――――が起こり―――に――――が――であったが―――」

 ・・・一つも理解できない

 元いた世界での日本史や世界史の知識なんて・・・何の役にも立たない

 この世界の歴史の授業には、少し興味があったが何一つわからない

「引野くん・・・引野くん」

 隣の席のアラトモがまた小声で話しかけてくる

「この授業は、少しつまらないけど・・・

 次は、だから楽しみだね」

「・・・・・・ぶがく?」

 聞いたことのない教科だな

「そうか!引野くんのいた世界には、武学って授業は、なかったんだね」

 机の中から教科書を取りだし説明を始める

「武学の授業の内容は、武器の使い方や戦い方、それと武器の歴史や作り方などを学ぶ授業だよ」

「・・・へー・・・つまんね~」



「―――聞いてない聞いてない聞いてない痛い痛い痛いつまんないつまんないつまんない」

 異世界での学園生活

 初の昼休みを迎えたというのに机に疼くまり独り言を呟いていた。

「引野くん!引野くん!!」

 昼休みになりアラトモが元気良く話しかけてくる

「教室になんか居ないで食堂へ行こうよ!!」

 席に着いている俺の腕を無理やり掴み、食堂へ連れて行こうとする

「ちょっ・・・待って!・・・今、俺、筋肉痛で・・・すぐに動けな―――ってうおっと!?」


 ―――ぽふっ!!


「ご、ごめん!」

 筋肉痛のせいかラッキースケベの効果かは、不明だが・・・

 足が痺れてしまい、アラトモの胸に顔からダイブしてしまった。

「・・・うん・・・筋肉痛なんだから仕方ないよね?―――食堂へ行く?」

「ついて行きます!どこまでも!!」

謝りながら食堂へ向かい始める

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