第100話 伝説の教師

「・・・あ、あれが・・・コドナ先生!?」

「・・・は、初めて見る姿や!!」

「う、美しい・・・!!」

エトム達が異能力幼児化を解除させたコドナ先生の大人本来の姿に驚きの声を漏らす


「・・・ん~・・・何十年振りだ?・・・この解放感は・・・!!」

小学生みたいな肉体からだをしていたコドナ先生とは、思えないほどの容姿で、手足は、長く、8頭身のモデル体型をしている


「・・・・・・それが・・・真の姿か・・・!!」

「カサ様!油断だけは、しないで下さい!!あのコドナの姿・・・昔を思い出す!!」

エソラがカサへ注意を呼び掛ける


「先ずは、ヒマワリか・・・―――エトム、ヨミ、トキド・ケー!ヒマワリを連れて、校庭ここから離れろ!!」


「「「・・・・・・えっ!!?」」」

雨ドームの中からエトム達が声を上げる


「・・・い、いや、先生!行きたくても行かれへんねん!!」

「ここから出られないんですよ!」

「こうして内側から何度、叩いても出られな・・・」



―――パンッ!パッパッパンッ!!


「「「―――っ!!?」」」

突然、エトム達を囲む、雨水の膜が弾け飛んで外へ出られる


「・・・一体、何をした?」

自分の異能力雨女が破られたのに驚く


「・・・まー、この豪雨だ!何度でも閉じ込めれる・・・!!」

「―――その腕でか?」


「・・・なっ!!?」

エトム達へ向けて振り上げた両腕が捻れ曲がっている


「・・・・・・!!」

・・・複雑骨折これは、アイツがやったのか!?

反応出来ない速さで私の腕をへし折ったのか!?


「―――だが!私は、異能力者雨女だ!!豪雨このの中にいれば・・・私は、無敵だーー!!」

雨水を浴びた両腕が一瞬にして再生され元通りの腕へと戻る


「雨水さえ有れば、何でも出来・・・―――ぐしゃっ!!」

「・・・何してる?風族嬢コイツらは、俺が相手するから、お前らは、早くヒマワリの所へ走れっ!!」

瞬時に移動したコドナ先生がカサの頭を掴み、異能力幼児化を発動させ、カサを胎児の頃まで若返らせて、そのまま力いっぱい握り潰し、立ち止まっているエトム達へ命令する


「「「・・・は、はいっ!!!」」」

エトム達がコドナ先生の指示に従い、ヒマワリの元へと走り出す


「そんなの行かせる訳ないだろ?異能りょ―――ぐへっ!!」

「・・・へ~・・・不死身の肉体も不自由だな?その痛みで死ねないなんてな・・・!!」

異能力ハリネズミ化でエトム達を止めようとしたエソラの顔面に強烈な蹴りを放ち、嘲笑う


「・・・ぢ、ぢぐしょー!ぢぐしょー!!」

エソラが身体をよじらせ、のたうち回る


「流石に不死身を殺すのは、初めてだな・・・!!」

「―――異能力雨女発動っ!!」

エソラへ止めを刺そうとするコドナ先生の辺り一帯の雨粒が集まり始め、無数の雨水の刃を造り上げて、コドナ先生の周囲を取り囲む


「―――雨刃アメーバ!!」


「・・・―――ハァッ!!」

コドナ先生が大声を上げた衝撃が雨粒に振動していき雨水の刃を破裂させる


「・・・無駄だ!拳から出たいんだろうが・・・その程度じゃ拳は、使わないぞ!!」


「―――雨分身あめぶんしんっ!!」

コドナ先生の足元の水溜まりからカサ本人と全く同じ姿の雨水の人間を何人も造り上げていく


「・・・フンッ!・・・面白い!何十人だろうが何百人だろうが造ってみやがれ!!―――オラオラオラオラ・・・!!!」

襲い掛かって来る雨分身カサ相手に怯むことなく真っ向から殴り合いを始める


・・・エトム、ヨミ、トキド・ケー!


―――ヒマワリを頼んだぞ!!



「・・・ハァ・・・ハァ・・・・あっ!あそこ!!・・・あそこにヒマワリが・・・!!」

激しく荒れ狂う暴風雨の中にヒマワリの姿が微かに確認できる


「ケーさん、お願いします!時を止めて下さい!!」

「・・・・・・もう、ずっと前から異能力は、発動させている」


「「―――えっ!?」」

エトムとヨミが声を上げる


「何言うてんねん!ウチら今こうして自由に動けてるやん?」

身体を動かしながら喋る


「カサの異能力ちからの所為だと思う!あの向こうの晴れている場所は、時間が止まっているのに、この豪雨の中だけは、時が止まらずに進み続けている!!」


「え~!そんな~!!豪雨こっち側は、治外法権だなんて~!!ケーさんの異能力ちからなしで、どうやって上空にいるヒマワリを助けるんだよ~!!」

ヨミが弱音を吐く


「・・・ほな、地力で行くしかないな!!」


「―――はぁ?」


「・・・・・・私も行く!!」


「・・・え?・・・え!えっ!?・・・まさか暴風雨あそこまで跳び上がる気!?」


エトムは、異能力ネコ化の力があるからわかるけど・・・


―――トキド・ケーさんもジャンプして行く気なの!?


「ヨミ、そこで待ってて!ちょっと行って来るわっ!!」

そう言いながらエトムとトキド・ケーは、地面を強く蹴り、空高く跳び上がり、暴風雨の中へと突入する


「・・・・・・!!」

・・・ほ、本当に届いたよ!

これならヒマワリを助けるのも時間の問題だな・・・


「「―――うわっ!!」」

暴風雨の中に入った2人が即座に、外へと弾き飛ばされ、地面へと叩き付けられる


「エトムー!ケーさーん!!大丈夫?中で何があったの!?」

ヨミが心配して駆け寄る


「・・・凄まじい風圧や!」

「暴風雨の中は、激しい豪雨と暴風で視界が全く見えなくて・・・雨と風が凶器のように襲い掛かってくる!!」

暴風雨に少し入っただけなのにエトムとトキド・ケーの身体には、傷を負っている


「あの中にいたらヒマワリの命が・・・」


「待ってろよ!ヒマワリ!!ウチが助けに行くからな・・・!!」


「・・・もう一度・・・何度だって行くよ!!」

再びヒマワリの元へエトムとトキド・ケーが跳び上がっていく



「―――オラオラオラオラ・・・!!!」

コドナ先生が休むことなく連続で殴り続ける


「いくらやっても体力の無駄!雨水を殴っても意味ないよ!!本体を狙わないと・・・」

コドナ先生の拳の中から逃れたカサが大量に造り上げた雨水の分身の中に姿を眩ませて、身を潜めている


「一体、いつまで雨分身の私と闘い続ける気だ?」

何十人ものの雨分身カサが一斉にコドナ先生へ襲い掛かる


「―――無論、勝つまで!!」

無数に来る雨分身カサとの攻防を続けながら答える


「・・・さっきは、よくもやってくれたな・・・!!カサ様ばかりに集中して油断してるな・・・―――異能力発動っ!!」

エソラが地面に手を当てて異能力ハリネズミ化を発動させると地中から大量の針が突き上がってくる


「―――串刺しになれぇぇぇーーー!!」


「・・・・・・何がしたいんだ?お前!」

地面から突き出て来た針に一切当たることなく、コドナ先生の衣服をセクシーに切り裂くだけに終わった


「アァァァーーー!!クソっ!あの引野おとこだ!!引野アイツを誤飲してから上手くいかない!!直ぐに吐き出さねば・・・!!」

エソラが指を口の中に突っ込み、嘔吐えずき始める


「―――それなら、次いでに、他にも呑み込んだ奴らも吐き出して貰うぜ!!」

「・・・ヴオェ!!―――ヴオオオェェェーーー!!!」

口の中に突っ込んでいる腕を思いっきり、ぶん殴り、無理矢理、指を喉の奥へと突っ込ませる



―――オロロローーー!!!


「「「―――うわぁぁぁーーー!!!」」」

エソラの口の中から引野、ドッポ、マッソ、マジナ先生が吐き出される


「・・・で、でで、出られたぁぁぁーーー!!」

粘液まみれの引野が雄叫びを上げる

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