第62話 お泊まり
「「「―――ごちそうさまでしたーーー!!!」」」
ヒマワリの異能力で造った。雲の家のリビングでエトムが仕留めたホウオウバードの肉を食べ終えた引野達は、各々くつろぎ始める。
「今日は、散々な1日でしたね!」
「せやな!街へは、行ったけど、グラサン男らに絡まれて、ドッポらと戦闘になったから買い物や文化祭の出し物とか、それどころじゃなかったからな!!」
「そのことは、また学園に戻ったら、みんなで考えようよ!」
今日一日のことを振り返るも文化祭の件を後回しにしようとするヒマワリ達
「―――それなら、俺がめちゃくちゃ盛り上がる文化祭の出し物を思い付いたぞ!!聞いくれ・・・」
「「「―――えっえぇぇぇーーー!!?そ、そんなの!やって良いの??」」」
引野の提案にヒマワリ達は、驚き!笑みを溢す!!
「良いに決まってるだろ?だって文化祭だぜ!文化祭!!俺達が一番楽しまなくっちゃ!!」
この案は、校外へ出て、こうして女体化しなかったら思いも付かなかったと思う!
「「「・・・・・・うんっ!!!」」」
大きく頷き返事をする
「これで文化祭の悩みもなくなったことだし・・・もう風呂に入って寝ようか?」
「そうだね!もうお風呂の準備は、出来てるから・・・引野ちゃん、先に入って良いよ!」
「・・・へ?」
「・・・え?・・・引野ちゃん、疲れたでしょ?先に入って良いよ!!」
もう一度、丁寧に伝える
「―――えぇぇぇーー!!?」
「いや、何を驚いた顔しとんねん!当たり前やろ?お前は、男やねんから先に入れや!!」
エトムが至極全うなツッコミを入れる
「・・・な、なんでだよ!まだ女の子なんだから、みんな仲良く入ろうぜ!!」
「・・・どうしたの?引野ちゃん、様子が変だよ!」
「確かに・・・女体化の効力が切れてきたんじゃ!?」
ヒマワリとヨミが引野の様子を疑い、怪しみ始める
「―――いや、何言ってんだよ!見ろよ!!・・・ほら!まだ
一生懸命、自分の胸を上下に揺らし女の子アピールするが・・・
―――ヒマワリ達のお察しの通り!
女体化の効力が切れてきて、俺の下半身は、元の男の身体へと戻っていた!
だが、上半身は、未だ女体化した女の子の姿のままなので、ヒマワリ達に男に戻りつつあることを気付かれない内に何がなんでもムフフな思いを味わいたいと企んでいたのだが・・・
「「「うぅーーーん!!!」」」
こうもヒマワリ達に疑惑の目を向けられていては、どうすることも!?
・・・こうなったら最終手段だ!!
「―――わかった!もう俺は、後で一人で入るからヒマワリ達は、先に入ってくれ!!」
「・・・お風呂、入ってる時に覗いたりしない?」
「―――絶対にしない!!」
ヒマワリの目を見て、ハッキリと答える
「・・・そ、そこまで言うなら・・・信じるけど・・・絶対、覗かないでよね!!」
「約束する!絶対に入浴中、覗いたりしないから!!」
渋々、納得したヒマワリ達は、浴室へと向かう
「・・・フッ・・・フフフ・・・―――約束は、守るぞ!入浴中は、な!!入る前に覗かないとは、一言も言ってないからな!!」
浴室のドアに鍵なんか掛けても意味は、ないぞ!
俺の異能力は、ラッキースケベ!感知不可!回避不能の異能力!!
「その威力!特と味わ・・・―――あれれ!!?」
鼻の下を伸ばしながら勢い良く、浴室のドアを開けるもそこには、着替え中のヒマワリ達の姿は、どこにもなく!
部屋一面にある雲の壁が全て雷雲へと変化している。
・・・あれ?
・・・み、みんなは!?
「・・・やっぱり!女体化の効力が切れてきたから覗こうとしたんじゃない!」
怒ったヒマワリが詰め寄ってくる。
「・・・ちょ、ちょっと待って!は、話を・・・」
「―――問答無用!!」
「―――ぎゃぁぁぁーー!!」
壁一面の雷雲からお仕置きの雷を浴びせられる
「えっちゃんの言う通り、引野の部屋と浴室を入れ換えてて正解だったよ!・・・全く油断も隙もない!!」
「ヒマワリー!どうしました?一緒に入らないんですか?」
ヨミが2階から声を掛ける
「―――ううん!今、行くーー!!」
こうして完全に男に戻った引野は、ムフフな思いを体験できないまま、校外での一夜を終えるのだった!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます