第110話 警察沙汰
「ハァハァ・・・ハァハァ・・・ハァハァ・・・」
警察官に追われながら街中を逃げ回る
・・・く、くそ!
現代に戻って、こんなしんどい思いをする筈じゃなかった!!
久しぶりに家へと帰り、ゲームやマンガ、ネットにテレビなどの娯楽を満喫しようとしてたのに・・・
「どないすんねん!引野、ウチがヨミの方へついて行こか?」
「・・・いや、ヨミのお陰で警官も分散された!俺達は、先に進もう!俺ん家の場所も一応伝えたしな!!」
まー仮に迷子になったとしてもヨミなら平気だろう!逞しく生きてくれる!!
「引野、走らなきゃダメ?雲に乗って良い?」
「こんな人混みの中で異能力は、絶対に使うな!自分の足で走るんだ!!俺について来い!!」
「・・・そういうセリフを言うなら先頭走ってくれへん?なんで最後尾なん!?」
ハァハァ・・・ハァハァ・・・う、うるさい!こんな所で引きこもりの弊害が出るとは・・・
「ほな、ウチ先行っとくで・・・」
「ま、待て!エトム!!どうせ、お前も道に迷うのがオチだろ!!」
そんな お約束は、絶対にごめんだ!
これ以上、問題を起こさせる訳には、いかない!!
「・・・ひ、引野っ!前、見て!前っ!!」
「───うげっ!!」
「・・・きゃあ!!」
ヒマワリの声に反応できずに通行人とぶつかってしまう
「・・・・・・痛てて、よそ見してました。すいませ・・・───むにゅ!!」
・・・や、柔らかい!
この手の平に伝わる感触、そしてこの弾力!!
ま、間違いない・・・
これは・・・
───おっぱいだぁぁぁーーー!!!
・・・と、とと、取り返しのつかないことをしてしまった!!
現実世界で3次元の女の子相手に
こんなのが許されるのは、2次元か異世界ぐらいだ!
言い訳かもしれないがこれだけは、はっきり言わせてくれ!わざとじゃないんだ!!決してわざとでは、ないんだ!!
俺の異能力、ラッキースケベが無意識に発動して通行人の女性を押し倒してしまったんだ!!
「・・・───キャァァァーーー!!誰か助けてーー!!変態ストーカー男よーー!!」
街中に響き渡る程の悲鳴を上げる
「貴様、とうとう人の道を踏み外したな!現行犯だ!!」
「・・・ち、違っ!違うんですーー!!」
追跡していた警官に取り押さえられる
・・・ヤ、ヤバイ!絶体絶命だ!!
このままだと法の裁きが下ってしまう!!
「・・・ヒ、ヒマワリーー!エトムーー!!」
「「───わかってる!!」」
・・・良かった!
阿吽の呼吸ってやつかな・・・短いけど長い付き合いだから言わなくてもわかってくれるんだな!!
「ほな、先行くで!」
「目的地で待ってるね!!」
───いや、全然伝わってねーーー!!
「違う違う!待って待って!!置いてかないでくれーー!!異能力を使ってでも助けてくれーー!!」
ヒマワリとエトムへ呼び掛けるが一度も振り返ることなく走り去って行く
「オラ立て!パトカーまで大人しくしろ!!」
ヤバいヤバいヤバいヤバい・・・!!
完全にヤバい!
このまま連行され身元確認されたら人生ゲームオーバーだ!!
・・・ど、どうしよう
「すいませーん!お巡りさーん!!この通りにも痴漢がいます!直ぐに来て下さい!!」
「・・・わかりました!直ぐに他の警官を向かわせます!!」
若い男性に呼び止められた警官は、無線で応援要請をしようとする
「───あっ!・・・ナ、ナイフを・・・ナイフを取り出した!これは、マズイ状況だーー!!」
「・・・わ、わかった!直ぐに行く!!オイ、お前!その場から一歩も動くんじゃないぞ!!」
警官が男性の指示した方向へと急いで向かう
・・・な、何だ?
今日は、なんて日だ!
俺が異世界へ行っている間に俺の住む街がスラム街並みに治安が悪くなってるんだけど・・・
「話があります!ちょっと来て下さい!!」
「・・・え?い、いや・・・」
警官が去った途端、若い男性が話しかけて来る
「さっきの痴漢は、デマです!僕は、あなたに会いたかった!!」
・・・ん
だ、誰だ・・・?
俺は、学校にも行かず、家にずっと引きこもっていたから男友達なんか1人もいないのに・・・
「僕が誰かは、順を追って説明します!不審がらずに着いて来て下さい!!」
怪しい男だな・・・
知らない人には、着いて行かないのが賢明だな・・・
「僕は、あなたの理解者です!この言葉に聞き覚えは、ないですか?・・・───
「・・・・・・っ!!?」
・・・な、何で その言葉を!?
この男は、一体何者なんだ?
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