第104話 敗戦処理
「「「―――えぇぇぇーーー!!!
引野から事情を聞いたエトム達が驚きの声を上げる
・・・そりゃあ、驚くよな!
暴風雨の中にいたヒマワリが性転換して帰って来たんだからな!!
「・・・・・・ヒマワリ、無事で良かった」
「せやな!記憶の事は、コドナ先生に任せときぃ!!」
「こ、ここ、これがヒマワリ・・・!?・・・ふ、服!服っ!!」
エトムとトキド・ケーがヒマワリの無事に安堵し、全裸だったヨミは、突然の美少年の登場に恥ずかしくなり、
「心配してくれてありがとうございます!・・・けど皆さんのことを覚えてなくて、本当にすいません!!」
「「「―――いいよ!いいよ!!そんなこと気にしなくて、ヒマワリが無事で本当に良かった!!!」」」
頭を下げて謝るヒマワリをエトム達が優しく気遣いフォローする
「・・・・・・」
・・・なんか
思ってたのと違うな~!
蚊帳の外な気分!!
激しい暴風雨の中に勇敢に立ち向かって行った俺にも、祝福ムードを味あわせてくれてもバチは、当たらないだろ!?
命からがら助けたんだぞ!!
エソラの体内から生還した時だって・・・
―――もしかして俺、嫌われてる!?
「・・・良くやった!見直したぞ!!」
「・・・あ、ありがと」
一人落ち込み、丸くなっていた背中をマッソが叩き、話し掛ける
「見ろ!雨が止んできた!!これは、全て引野の手柄だ!!胸を張れっ!!」
「・・・・・・マッソ!」
そんな真っ直ぐに誉められると照れちまうじゃねーか!!
「・・・それに
「―――その話、詳しく!!」
マッソに詰め寄り、問い掛ける
「・・・と、兎に角、この闘いのMVPは、引野!お前だ!!これでコドナ先生の死闘も楽になるだろう!!」
「・・・う、うん!そうだな!!―――それより、マッソ!さっきの話の続きを!!」
・・・コドナ先生!
俺はコドナ先生が必ず勝つと!風族嬢に勝利すると!!
心の底から信じて・・・
マッソとお喋りして待ってます!
―――ご武運を!!
「「・・・ハァハァ・・・ハァハァ・・・ハァハァ・・・―――っ!!」」
豪雨の中、校庭で死闘を繰り広げていると空が次第に明るみ始める
「・・・フッ!・・・雨が止み出し、悪運尽きたな・・・!!」
「何を勝ち誇っている!命拾いしたつもりか・・・?」
雨量が少なくなっているがカサは、気にすることなく、
「・・・ハァ・・・ハァ・・・無制限じゃなくなった!
カサの雨水の攻撃を拳一つで打ち砕いていく
「・・・・・・マ、マズイな!!」
戦況を冷静に見ていたエソラが呟く
私の
方法は、解らないが・・・
―――まだ!
ヒマワリの記憶操作をしている
この場は、一度引いて体制を整えるのが得策だな・・・!?
「・・・カ、カサ様!!」
「―――ダメだ!コイツは、ここで消す!!」
エソラの話を聞くことなく否定する
・・・や、やはり
カサ様の性格上、逃げることは、しないか・・・
―――かくなる上は!!
「・・・カサ様!ご無礼をお許し下さい!!―――ごっくん!!」
「・・・なっ!!」
エソラが背後から突然、カサを特技の人間ポンプで丸飲みにする
「・・・今さらカサを飲み込んでどうするつもりだ?エソラ!」
「こうするんだよ!―――
雨粒を集め始め、空気中に浮かぶ雨水の鮫を造り出す
「―――
「・・・で!その魚で何ができる?」
鋭い牙を持つ雨水の鮫の群れを造り上げたエソラを嘲笑う
「
「・・・・・・?」
「・・・だが他は、別だろ?―――残り全員を喰らい尽くせーー!!」
「・・・なっ!?」
雨水の鮫の群れが引野達のいる方へ猛スピードで泳いで行く
「こんな卑怯な行為は、カサ様の美学やプライドに反することだからな・・・!!」
「・・・テ、テメー!!」
コドナ先生が激怒する
「のんびりお喋りしてて良いのか?生徒達が殺されるぞ!!」
「・・・・・・ちっ!!」
大急ぎで雨水の鮫の群れを追い掛ける
「負け戦を勝ち逃げへ変えるのが私の仕事!―――
学園中にある雨水を全て身に纏い、雨水をジェット噴射させて、その勢いで宙を舞い、この場から飛び去って行く
「―――あばよ!また、来るぜ!!」
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