第58話 特技持ち
「―――報告は、以上です!ドッポ様!!」
男達がオールバックの髪型をした男の前で跪き、戦いの状況、様子、流れなどを説明する
「・・・なるほど・・・特技が囲碁・将棋の
手下の話を聞いたドッポは、鋭い眼光で引野達を睨み付ける
「―――オイオイオイオイ!見ろよ、アイツ!!俺達の勝利が、ほぼ決まった頃に現れやがったぞ!!」
「戦況が最悪なのを理解し、一人立ち尽くしてますよ!・・・マヌケな
「「―――ハーハッハハハーーー!!」」
引野とヨミが遅れて現れたドッポという男をバカにしながら大笑いする
「―――みんな!気ぃ抜くなよ!!」
エトムが一人、声を荒げる
「アイツは、今までの男達とは、次元が違う!油断するな!!絶対ウチから離れる・・・」
「―――よそ見か!余裕だな!!・・・―――オラッ!!」
ドッポから目を逸らした一瞬の内にエトムの目の前に現れ、正拳突きを繰り出す
「―――ぐぅぅぅーーー!!」
両腕でドッポの正拳突きを防ぐも、威力が強く、そのまま後ろへと吹っ飛んでしまう
「「―――エ、エトム!!」」
引野とヨミが駆け寄って行く
「・・・まず、一人!!」
一足跳びでエトムの頭上までジャンプし、右足を高々と振り上げ、そのまま脳天、目掛けて勢いよく振り下ろす
「―――えっちゃーーん!!」
「・・・硬い・・・な!」
「ヒマワリーー!余計なことすんな!!今のカカト落としなんか、余裕で躱せたわーー!!」
倒れたエトムとドッポの間にヒマワリが異能力で雲を出現させ、攻撃を防いだ
「・・・お前が雲を操る異能力者か!邪魔されるのは、厄介だ!先に殺してや・・・」
「―――よそ見とは、油断したな!!」
ドッポがヒマワリへ視線を移した隙に背後へ移動し、異能力でネコ化させた爪で斬りかかる
「・・・油断?これは、余裕というものだ!!」
「・・・う、うそだろ!エトムの攻撃を!?」
剣や槍の刃ですら切り裂く、エトムの爪を武器も何も持たない、ただの手刀で受け止める
「・・・な、なんや!この手は!?切り裂くどころか引っ掻き傷すら付かんなんて・・・」
諦めず何度も引っ掻くが全てドッポの手刀によって防がれる
「・・・つ、強い!!」
Cクラスで一番、身体能力の高い、エトムが全く歯が立たないなんて!?
―――なんて、戦闘力の高さなんだ!!
「・・・ハァハァ・・・ハァハァ・・・どうやら・・・ウチより・・・強いみたいやな!」
一度、距離を取り、体勢を立て直す
「・・・なら、諦めて死ぬか?」
「・・・冗談!―――
凄まじい速さで移動するエトムの姿が何重にも重なり、複数の残像を生み出す
「・・・は、速い!!速すぎて、分身してるみたいだ!!―――これならいける!!」
力がドッポなら速さは、エトムだ!!
「ほ~!!」
「―――驚いたか?このスピードに・・・」
「あ~驚いた!まさか・・・―――俺と同じ技が出来るとは、な!!」
「「「―――な、なにぃぃぃーーー!!!」」」
ドッポがエトムと全く同じ動きをして、エトムの横にピッタリと張り付き動いている
「じゃあな、野良ネコ!・・・―――死ねぇぇーー!!」
「―――えっちゃーーん!!」
ヒマワリがエトムを守る為に異能力で雲を出現させる
「・・・また、
「・・・み、見て下さい!!ヒマワリの雲が!?」
「・・・ウ、ウソだろ!!
」
何度も機関銃やバズーカ砲の弾丸や爆撃を受けても大丈夫だったヒマワリの雲が!あの男のパンチ1発で大きく、へこんでしまった!
「これなら、どうだっ!!・・・―――ダンッ!!―――ガンッ!!―――バンッ!!」
雲を破壊しようと正拳突き!膝蹴り!回し蹴りの連打を浴びせる
「・・・た、大した威力ね!だけどあたしの雲は、壊れない!!」
・・・ヒマワリの奴!
強がっては、言っているけど・・・
あの男の連打で雲は、ボコボコにへこみ!雲に確かなダメージを与えている
「・・・やるな、お前!確か・・・名は・・・ヒマワリとか言ったか!」
「・・・うん!あなたも今までの男達とは、違うみたいね!」
「当然だ!俺を特技が1つもない男と一緒にされちゃ敵わん!・・・俺の名は、ドッポ!!空手を特技とする男だ!!」
「―――ま、まずいです!と、特技持ちが相手だなんて!!」
「・・・な、なんだよ!?その特技持ちって?」
ヨミの怯え方に疑問に思う
「特技持ちというのは、何万人に一人の人間が辿り着ける境地!特技を持っている人の実力は、計り知れません!!」
「Aクラスのマッソも同じ特技持ちや!あのレベルの
あのマッソですら恐ろしいほどの化物だったのに・・・
それと同等の力を持つ、特技持ちとかいう
「まずは、ヒマワリ!お前から殺す!!」
「―――きゃぁ!!」
エトム並みの速さで動くドッポの手刀がヒマワリの首に直撃するよりも早く異能力を発動させ、雲で手刀を防ぎ、そのままヒマワリの身体全体を雲で覆い隠し、身を守る
「―――オラオラオラオラ・・・!!隠れても無駄だ!!」
ドッポが雲の中に潜むヒマワリへ休むことなく、パンチや蹴りの連打の応酬を浴びせ続ける
「・・・ア、アカン!ヒマワリは、肉弾戦が苦手なんや!このままじゃ雲が・・・」
「・・・た、助けないと!!」
防戦一方で文字通り手も足も出ないヒマワリの姿に戸惑う
「・・・でもヒマワリの奴・・・なんで雷を落とさないんだ?最強の攻撃手段なのに!!」
引野が疑問を口にする
「落とさないんじゃない!落とせないんだよ!!銃を無力化したのが仇となったな!!」
ヒマワリからの反撃など一切気にせず、攻撃をし続けるドッポが疑問に答える
「それは、一体どういう・・・―――冷たっ!!」
ヨミが水溜まりに足を突っ込む
「―――そうかっ!!今、地面は、ヒマワリが降らした雨の影響で水浸しになっている!そんな場所で雷なんか落としたら全員感電してしまうから、落としたくても落とせないんだ!!」
道理で雷を全然、落とさない訳だ!
「しゃーない!ちょっと卑怯やけどウチも闘うで2対1や・・・!!」
「―――おーーっと!ここから先は、通行止めだ!!」
ドッポとヒマワリの行く手を阻むように男達が道を塞ぐ
「なんやお前ら!そんなもん一瞬で通り抜けた・・・―――っ!!?」
突如エトムが膝を着く
「・・・エ、エトム!お前、もう魔力が!?」
エトムの魔力が少なくなった所為か
「・・・引野!実は、私も
・・・えっ、ヨミも!?魔力切れ!!
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