第92話 鬼
「・・・オ、オイ!・・・何だよ!!あれ?」
校庭でヒマワリを追って来る風族嬢達を待ち構えていた引野達が驚く
「コドナ先生らか風族嬢達が来ると思って待機してたのに・・・―――鬼が来たーー!!」
予想だにしない事態に引野は、慌てふためく
・・・何あれ?超怖い!!
どっからどう見ても鬼そのものなんですけど!?
「引野、落ち着いて!もしかしたら鬼っぽい人かもしれないよ!!」
「―――んな訳あるか!」
ヒマワリの天然的発言にツッコミを入れる
「2人共、少し冷静になりましょう。」
ノマール先生が場を落ち着かせる
「今日は、文化祭ですし、鬼に似た一般人の可能性が高いかもしれませんね!」
―――お前もか!ノマール先生!!
・・・俺が少数派なの?
「・・・見つけたぞ!ヒマワリ~!!」
「「「―――っ!!?」」」
その言葉に引野達が反応する
「・・・あっ!ヒマワリさんのお知り合いの方でしたか?」
「いつまでそんなこと言ってんですか!そんな訳ないでしょ!!追手ですよ!追手っ!!」
やばいやばいやばいやばい・・・!!
こんな状態のノマール先生のままじゃ無理だ!
早く料理道具の用意を!!
「煩い
巨大な鬼が思いっきり振りかぶり引野達へ殴り掛かる
「「ぎゃぁぁぁーー!!し、死ぬーー!!」」
引野とノマール先生が抱き付き、身を寄せ合う
「乱暴者め~!―――雲城!!」
ヒマワリの異能力は、雲!
異能力で出現させた雲を自由自在に操り、変化させることが出来る!!
「「―――うおぉぉーーー!!」」
ヒマワリが異能力で出現させた雲が俺達を守る様に囲み雲の城を築き上げる
「最高硬度の
ヒマワリが造り上げた雲の城を鬼が一度、殴っただけで雲城の壁を破壊し、引野達の姿が丸見えになる
「ヒマワリ~!私の元へ来い!!」
雲の城を力任せに無理やり壊し、城内のヒマワリへと手を伸ばし、引きずり出そうとする
「・・・な、なんて腕力なの!?」
力だけならマッソ並だな!
「
「・・・はい、持って来た。」
引野の叫び声に反応したトキド・ケーが異能力を発動させ、時間を止め、止まった時の中を移動し、ノマール先生の料理道具一式を運んで来てくれた
「えぇ~い!控え!控えろ~!!者共、
「「「―――はっはは~!!!」」」
ノマール先生の口調が変わり、ノマール先生が鍋奉行様になり引野達が頭を下げる
・・・よっしゃ!
これで形勢逆転だ!!
「・・・んん?・・・あやつ、
トキド・ケーさんが現れた途端、あの巨体な鬼の姿を見失う
「・・・え?」
引野が頭を上げ、辺りを見回すが確かにあの巨大な鬼の姿がどこにもない!
「―――上や!」
離れた位置から戦況を把握していたエトムが声を上げる
「「「・・・・・・!!!」」」
上空へ視線を移すと、さっきとは、全く別人のような俊敏な動きを見せ、空中で身体を捻らせながら右足を頭上まで高々と上げ、そのまま勢い良く振り下ろす
「えぇ~い!まどろっこしい~!!無礼者は、皆!料理してくれるわ~!!」
「―――えっ!ちょ、ちょっと待って!!まだ俺、立ったままだか・・・―――らぁぁぁーーー!!」
ノマール先生の特技は、料理!
ノマール先生が調理道具一式を持てば、そこがどこであろうと間合いが全て厨房へと変わり、鍋奉行様であるノマール先生より
「ぎゃぁぁぁーー!!助けて吸い込まれるーー!!」
引野が鍋の中へ吸い込まれていく
「・・・こ、こんな時に何やってんのよ!引野!!今、それどころじゃ・・・ダ、ダメ!踏み潰される・・・!!」
ヒマワリが不安な声を漏らす
「―――異能力発動」
「・・・・・・ん?手応えがない」
粉々に砕いた雲城から足を退けて鬼が呟く
「助かりました。ありがとうございます!トキド・ケーさん!!」
「・・・気にしないで」
鬼が足を振り落とす直前に再び異能力を発動させ、時を止め、俺達を安全な位置へと移動させてくれたトキド・ケーさんへヒマワリがお礼を言う
「オイ!ノマール先生!!なんであのタイミングなんだよ!ちゃんと周り見ろよ!!危うく料理されそうになっただろ!!」
「そ、そんなこと・・・今の僕に言ったて覚えてないんですから・・・」
鍋奉行様じゃなくなったノマール先生へ掴み掛かり激しく抗議する
「2人共、気を抜いちゃダメだよ!あの鬼、かなりの実力者」
トキド・ケーさんが注意する
・・・た、確かに
何なんだ?あの洗練された格闘技術は!?
まるで他校生のドッポみたいじゃないか・・・
「ほな、ウチの番やな!―――異能力発動!!」
エトムの異能力は、ネコ化!
身体をネコの様に変化させることが出来る!!
「ウチの爪で切り裂いたるわ!!」
異能力を発動させたエトムの身体から猫耳や尻尾が生え、四足歩行で高速で移動し、鋭く伸び始めた爪で鬼の左腕を切断する
「ぐうぅぅぅーーー!!」
左腕を切断された鬼が苦しみ始める
流石っ!エトムだ!!
戦闘に関してエトムの右に出る奴は、いない!!
―――バチンっ!!
「「「―――なっ!!?」」」
鬼が指を鳴らすとエトムに切断された腕が何事もなかったかのように元に戻っている
「・・・い、一体どういうことだ?」
今のは、完全にマジナ先生の
この鬼は、一体何なんだ?
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