第94話 調理実習
「「「ノマール先生、お願いします!!」」」
「―――お断りします!!」
頭を下げるヒマワリ達へ即断即決で言い放つ
・・・まー確かに
ノマール先生もあんなの相手に一人で闘うのは、嫌だよな
「ほな、ウチらは、離れた所におるから頼むで先生!」
「―――えっ!?え、え・・・!!いや僕の話し聞いてましたか?」
離れ始めるエトム達を必死に引き止める
「ノマール先生!あたし達が見守っているから安心して・・・」
「いやいやいやいや・・・!!見てたでしょ?あの鬼の
ノマール先生が喋っている間にトキド・ケーさんが異能力を発動させ、時間を止め、ノマール先生を1人その場に残して引野達は、離れた位置へと移動する
「うわぁぁぁーーー!!先生を一人置き去りにして~!!これは、完全にいじめだ!終わったら補習!最悪停学は、覚悟してろよぉぉーー!!」
・・・すみません、ノマール先生!
その鬼を引き受けた勇姿は、忘れません!!
何か色々叫んでたけど・・・
勇姿だけは、絶対に忘れませんから!!
「・・・ヒマワリを何処へやった?ヒマワリーー!ヒマワリーー!!何処だーー!!」
鬼が校庭を見回し、ヒマワリの名前を叫び続ける
「・・・うっ!」
「どないした!?ヒマワリ、頭痛か?」
こめかみを押さえ苦しそうな表情を見せるヒマワリをエトムが気に掛ける
「・・・何か・・・あの鬼があたしの名前を叫ぶ度に・・・頭の奥が・・・掻き乱されるような・・・!!」
「その点も含めて考えてみようか・・・」
トキド・ケーさんが口を開き、取り仕切る
ヒマワリのこの苦しみようや異能力を使うこと・・・
―――謎が多過ぎる!!
「エトム、
「ん~ なんか・・・人形を相手にしてるみたいやったな!」
「・・・人形?エトム、どういう意味だよ!それ!!」
「―――言葉通りの意味や!」
それがわからねーから聞いてんだよ!!
「・・・人形・・・なるほどね」
エトムの話を聞いたトキド・ケーが納得する
・・・いや、何で
あれで理解できるんだよ?
後でしっかり説明してもらうからな!!
「ヒマワリーー!ヒマワリィィィーー!!!ヒマワリを出せーー!!」
ヒマワリを見失い、怒り狂った鬼が一人残されたノマール先生へ襲い掛かる
「・・・えっちゃん!ノマール先生は、大丈夫かな?」
「大丈夫や!アレ見てみぃ!!」
「さっきから何だ?貴様は~!頭~が高~い!頭が高~いぞ~!!」
トキド・ケーさんが置いていった料理道具一式でノマール先生が鍋奉行様へと変わり、鬼を睨み付ける
「無礼者が~!料理してくれる~!!」
ボロボロに破けた上着を引きちぎり、背中に彫られた桜吹雪の入れ墨が露になる
「鍋奉行様っ!!えっちゃん、これなら安心だね!」
ヒマワリの言う通り
あの
「ぐぬぬぬ・・・!!凄まじい力だな!!」
「よしっ!あそこからは、回避不可!料理されてお終いだ!!」
ノマール先生の特技を何度も体験したからわかる!
あの状況からは、脱出不可能だ!!
「・・・・・・ど、どういうことだ!?」
・・・あの鬼の怪力は、脅威だが、無礼を働いたモノは、皆平等に料理される筈なのに・・・
―――一体、どうやって耐えているんだ!?
「アレや!見てみぃ!足の裏を!!」
「―――なっ!!」
エトムが指差す、鬼の足の裏には、大量の針が飛び出し、地面に突き刺さっている
「あの
・・・なるほど!
良く気付いたなエトム!!
「―――オェェェーー!!!」
鬼が自分の口に指を突っ込み、
「「「・・・な!?なんだ!あの大きな蛇はぁぁーーー!!?」」」
「そ~んな~蛇~!物とも~せんわ~!!」
鍋よりもデカイ大蛇をそのまま鍋の中へと吸い込んでいく
「―――勝機!!」
大蛇を吸い込み、吸引力が弱まった隙に
「玉砕覚悟か?・・・面白い!同時に料理してくれるわ~!!」
大蛇を吸い込み終わり、鬼の太い左腕も鍋の中へ吸い込まれていく
「は~はっはは~!観念せいっ!!」
・・・よし!
これで鬼を倒せるぞ!!
「・・・―――異能力発動っ!!」
「「「―――なっ!!?」」」
鍋の中に突っ込んだ左腕で異能力を発動させると鍋が一瞬で錆びだらけになり、完全に腐敗させる
・・・ど、どういうことだ?
あの異能力は、ビゾンとかいう風族嬢の!!
「・・・んっ・・・あれ?あれれ?・・・これは、どういうこと!?」
鍋を壊され鍋奉行様から元の状態に戻ったノマール先生が状況を掴めず困惑する
「全て腐ってしまえ~!!!」
失った左腕を一切気にも止めず、右手で残りの料理道具一式を腐らせ、使い物にならないようにする
・・・な、なんてことだ!
これじゃあ、特技の料理が使えない!?
「大変!ノマール先生が大ピンチ!!」
ヒマワリが不安の声を上げる
ノマール先生を助けてやりたいが・・・
一体、どうすれば?
「フッフフ・・・長い間、お待たせしましたね!真打ち登場!!」
「「「・・・・・・」」」
ヨミの自信満々の口上に全員が既読スルーする
「―――オイ!何か文句があるなら聞こうじゃないか!!」
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