学園ラブコメ期待して異世界転送したのに・・・男子校かよっ！！

第９８話 ポケットビスケット

「「・・・い、行かせるかーー！！」」

「・・・止めろ！・・・離せ！！・・・邪魔だ！そこを通してくれーー！！」

ネチューとビゾンが暴走する引野の行く手を阻み、必死に食い止める

「・・・わ、わかった！わかったから！！一度、話し合おう！！ギャルと喋る機会なんか、めったにないでしょ？」

「うん、うん！話そ！話そう！！一緒に話そ！！」

着衣を乱しながら声色を変えて色仕掛けを始める

・・・くっ！

その誘惑は、尋常じゃないぐらい唆るが・・・

「―――そんな暇は、ない！俺は、ヒマワリ達と合流しないといけないんだ！！」

風族嬢の誘惑をきっぱりと断ち切る

「だから、今すぐに尻の穴からブッと脱出を・・・」

「「―――させる訳ないでしょ！？」」

ネチューとビゾンが声を荒げる

「乙女の清い肉体（からだ）に何て事を・・・！！ギャルでもそんなことしないよ！！」

「・・・お、おお、お前も！私と同じで脳みそ腐ってるの？」

「喧しい！人間を丸呑みにする化け物を女の子扱いできるかーー！！尻の穴から飛び出して不意打ちを食らわせてやるーー！！」

「―――血も涙もモラルもないな！！」

エソラの貞操を守る為に取っ組み合いが激しくなる

・・・みんな待っててくれ！

汚い手段だが直ぐに行くから！！

「ぐぬぬぬ・・・！！」

校庭では、鬼（エソラ）とヒマワリ達との異能力バトルが続いていた

「はーはっはは・・・！！何度やっても同じ事！そんな攻撃（羞恥責め）が私に効くと思ったか？―――恥を知れ！恥を！！」

「それは、よっちゃんでしょ！？全裸（はだか）で動き回らないでよ！！」

何度も鬼（エソラ）の針攻撃により服をビリビリに破かれ、その度、異能力（リサイクル）で服を再生させるが切りがないので魔力温存の為に全裸のまま闘うことを選んだヨミをヒマワリが一生懸命、大事な部分を異能力の雲で隠しフォローをする

「なんや、知らんが鬼の命中力が下がっている今がチャンスやな！！」

エトムが魔力を高め、肉体のネコ化が進んでいき、戦闘体勢へと入る

「ウチは、行くけど・・・ケーさんは、どうする？」

「・・・・・・わ、私は」

煮え切らない様子を見せる

「トキド・ケーさん、大丈夫！貴方は、悪くない！！」

鬼（エソラ）による地中からの針攻撃により、再び料理道具一式が穴だらけの使い物にならない状態になり、鍋奉行様から、いつものノマール先生へと戻り語りかける

「あの場面でのあの出来事は、想定外で回避することは、困難でした。教師である僕が目の前にいて救う事が出来なかったんです！！」

ノマール先生が後悔の念を抱きながら話し続ける

「あの状況で１人だけ反応し動けたのが引野くんだけでした。あの子は、あの瞬間、ヨミさんを失う訳には、いかないと咄嗟の判断であのような行動を取ってくれたんだと思います！」

「でも・・・もう、引野は・・・」

トキド・ケーがか細い声を漏らす

「―――だから信じましょう！引野（彼）は、生きていると！！」

「―――っ！！」

「せやな！ノマール先生の言う通りや！！それに引野の事や、もしかしたら歯と歯の間とかに挟まってるかもしれへんな！！」

「それに万が一、引野くんが死んでいたとしてもヨミさんがいれば大丈夫！彼女さえ失わなければどうにかなります・・・―――が！ご覧の通り、当の本人は、死地の最前線にいます！！」

ヨミの方を見ながら話す

「・・・一緒に来て、フォローお願い出来ませんか？」

「・・・・・・喜んで！！」

「―――ほな、行きましょうか！ヨミとヒマワリの元へ！！」

鬼（エソラ）と闘うヒマワリとヨミの所へと向かい出す

「何時（いつ）までも調子に乗るなよ！遠距離技がダメなら直接握り潰し、ゾンビ化の異能力（ちから）で腐敗させてやる！！」

頭に血が上った鬼（エソラ）が素早い足捌きでヨミとの距離を詰め、両手で掴みに掛かる

「・・・単細胞の考えそうなことですね！―――異能力発動っ！！」

地面に散らばっていたビスケットの欠片に異能力（リサイクル）を発動させて、元の鬼（エソラ）と同じ大きさだった巨大ビスケットを再生させる

「―――邪魔だ！！」

再生させた鬼（エソラ）型ビスケットを粉々に粉砕する

「壊せば、壊すほど増えますよう！！―――異能力発動っ！！」

粉末状に散り散りになったビスケットの欠片に異能力（リサイクル）を発動させ、大量の鬼（エソラ）型巨大ビスケットを再生させていく

「・・・なるほど・・・ただのバカかと思い気や、目眩ましか・・・！！」

辺り一面に鬼（エソラ）型巨大ビスケットを造り上げ、その隙にヒマワリ達は、姿を隠す

「良い作戦だ！・・・だが俺には、通用しない！隠れても無駄だ！！―――パチンパチンパチンパチン・・・！！」

鬼（エソラ）が連続して指を鳴らし始める

「「「―――なっ！！？・・・ビ、ビスケットが！！！」」」

何も入っていなかったポケットの中から突然、ビスケットが出現し、ヒマワリ達が驚きの声を上げる

「なんやなんやなんや・・・！！」

「これは、マジナの特技！？」

「・・・えっ！嘘、トキド・ケーさんまで！！」

ヒマワリ達のポケットの中から大量のビスケットが溢れ出し、身動きが取れなくなっていく

「・・・ま、まずい！このままじゃ全員、生き埋めになります！！早く服を脱いで下さい！！」

「「「―――絶対に嫌っ！！！」」」

全裸で唯一ビスケット被害のないヨミの意見をヒマワリ達が口を揃えて否定する

「なら、どうするの？この増え続けるビスケット！食べれる？砕いても増えていくのに・・・それを止める手立ては、ないでしょ？一緒に裸になろ！！」

ヨミがヌーディストの世界へ誘ってくる

「ノマール先生！特技、料理やねんから、なんか方法ないの？」

「・・・ん～・・・いくらカロリーが低く、食べやすいとは、いえ！ずっと同じ味では、飽きてしまいますよね？せめてミルクやコーヒーなどがあれば・・・」

「―――食べ方なんか聞いてへんよ！！」

エトムがツッコミを入れる

「うわーー！！もう上半身までビスケットが溜まってきたーー！！」

砕いても砕いても増え続けるビスケットに焦り出す

「・・・・・・私に考えがある。」

トキド・ケーが口を開く