ＲＩＫＯ

　この小説の主人公、向井親信（むかい ちかのぶ）は妻を亡くし、幼い娘と息子を育てる浪人です。生活に苦労はありながらも平和に暮らしていたある日、彼の家に傷を負った若侍の幸之進を匿った…続きを読む

「英文法物語 ～『Iの旅路』～」は、主人公の”I”（その名も”一人称”の民！）が英文法の世界を旅するというユニークな設定で進行します。次々に現れるキャラクターたちは、二人称の民：Y…続きを読む

「天河に秘めたる ～奏琶国烈女伝～」は、壮大なスケールで描かれた中華風ファンタジーの傑作です。 　主人公の祥華は、父が陰謀に巻き込まれ国外追放されるところを、幼い皇太子・黎基に助…続きを読む

　この物語は、ボーイフレンドのコンサートに出かけた美しい令嬢アデルが、滞在先のホテルで発生した殺人事件に巻き込まれることから始まります。彼女は、最初は乗り気ではなかったホテルのフッ…続きを読む

この作品は、宿屋の主人である巳澄翔吾が、常連客の橘から頼まれた謎の男を宿泊させることから始まります。そして、翔吾が抱える体調不良や近所の山で起こる奇妙な事件を皮切りに、謎めいていて…続きを読む

レベッカの涙ぐましいまでの『推し活』 またの名を乙女の美学！ 推しの騎士エクベルトのために、彼の見回り地区の治安と衛生を守ろうと奮闘するレベッカの姿や、突然、変わる口調（大阪弁 …続きを読む

　主人公の千世は、武家の一人娘から江戸時代の深川にある損料屋（レンタルショップ）月見堂の女主人。千世は物だけでなく人手も貸し出す店を切り盛りしながら、さまざまな事件に巻き込まれてゆ…続きを読む

俳句は、五・七・五の音節からなる、世界でもっとも短い詩だそうですが、いざ、自分で作るとなると短すぎて難しい。 そんな中で、曇空さんの句は、一節一節が歯切れよく、短い文の中で季節を鮮…続きを読む

劇場、留学先の英国、街によくあるカフェ。いつも飲んでいる自動販売機のカフェラテ。 どこか俯瞰的な視線で語られている街や人々。心の動きや情景描写が優しいエッセイです。 もし、自分が…続きを読む

　魔術師ペルクスは、獣人と妖精の夫婦から「自分達の子供が欲しい」という依頼を受け、長年の研究の末に、彼は二人の娘カモミールを生み出すことに成功します。しかし、生命の創造は禁忌とされ…続きを読む

　継母から父親殺しの罪を負わされ、城から逃亡した王女スノウリア。 　行き倒れたスノウリアを助けたのは、生屍（アンデッド）たちと森で暮らす死霊術師（ネクロマンサー）のデュレインだった…続きを読む

北欧の少民族でトナカイの放牧を生業にした家の少女のお話。 別に書かれた長編のスピンオフの作品だそうですが、クリスマスを慎ましかに、穏やかに、互いを思い合って祝う家族の姿と、北欧の…続きを読む

薄れてゆく戦禍への思いや、その中に消えて行った若い命の記録。 戦争を知らない私たちは、文字や映像や音声でしか、それを知る術はないのだけれど、この短い小説は、心に沁みて、とても切な…続きを読む

　将来、トップに立つことを期待されたジュニアフィギュアスケーターたちが集まる榛名学園スケート部。 　『氷上のシヴァ』は、そこにやって来た”芝浦当麻”という突出した才能の持ち主の少年…続きを読む

「誰も読まない、いや、読まない方がいいかもしれない…。」と、キャッチコピーがついているように、登場人物は誰も幸せな人がいません。主人公の娃子の回りは家族も友人も近所の人も、ろくな人…続きを読む

　この小説は、全１５８話、百万字を越える大長編だ。 　にもかかわらず、露ほども退屈さを感じさせないのは、次から次へと展開する話の面白さ、減り張りの効いた文章、何よりも、主人公の真之…続きを読む

夫の浮気に薄々気づいている主人公の”私”が、同僚の古瀬に魅かれる心理描写や、夫の秋悟に対する感情など、読み手によって違う受け取り方ができて、とても深みがある書き方をされていると思い…続きを読む

喫茶店を語らせたら、この作者は最強！
苦笑いの後に妙にスッキリするから、不思議。

～どこまでも言葉の翼で飛んで行ける～ 『光の三分間と声と言葉の青春』のテーマは？ と問われたら、この一節を挙げたいと、私は思う。 　また、この小説は、迷い多き主人公の成長物語で…続きを読む

主人公が受験生の小学生という設定が、珍しく、心理描写が巧みで分かりやすいので、一気に読むことができました。 しかも、途中で出てくる正体不明の人物と、その人が呟いている”謎の言葉”…続きを読む

『アイスティーにミルクを注ぐ時、私の感情は起動する』 　文頭のこの一文に心魅かれる。 　主人公がしばしば訪れる喫茶店で飲むアイスティーの清涼な茶褐色の液に、白濁したミルクが揺蕩…続きを読む

　喫茶店でいちゃつくカップルを揶揄してみたり、世間に対してかなり上目線だったり、主人公は俗にいう”いけ好かないタイプ”。 　けれども、彼女の一人も欲しくなり、この主人公が”消去法に…続きを読む

「熱」というタイトルと「冷えた空」の対比がとても心に響きます。

気持ちのいい喫茶店で、美味しいお茶を飲み、爽やかな風に吹かれて、人生について考える。
読後感の良い青春小説です。

昭和の時代に、西成、釜ヶ崎で幾度となく起きた日雇い労働者たちの暴動の話は聞いたことはあっても、今では過去の話でしかありませんでした。 作者は、昭和の頃の警察という組織や釜ヶ崎という…続きを読む

ちょっと、格好をつけてキャッチコピーを付けてみました！ 崇められる立場だった竜神のヴァイスが、人となり、協力者たちとの旅の中で、人間的な弱さや強さをどのように身につけてゆくのか。…続きを読む

漫然とした大学生活。暗いトンネルから抜けることができない小学校時代。 不思議と重苦しさを感じさせないのは、上質な文章と、良い効果を出している難読漢字、瑞々しい自然描写、時折入り込…続きを読む