女子高校生の汐里と、イケメンでシャイなサラリーマン、サエジマの日常の中に潜む小さなファンタジーを描いた作品です。
ファンタジーと言っても、物語は汐里とサエジマが、公園のベンチで出会うところから始まり、何か特別な異変が起こるわけでもなく彼らの日常が描かれているだけです。その中に恋愛や年の差、ほのぼのとした要素や、少しばかりの驚きが詰まっており、そのファンタジーは一人一人が心の中に描く夢や願望といった方が良いのかもしれません。
森ノ中さんの筆致は、シンプルに読者を引き込む力があり、キャラクターたちの成長や日常の中での発見が丁寧に描かれています。
完結作品であり、ボリュームも丁度読むのに良い量なので、無理なく楽しむことができます。
日常の中に少しの非日常を見つけることができるこの作品は、読者にとって心温まるひとときを提供してくれる良作です。ぜひ、お薦めしたい作品です。